Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

エレールを信じる

車って乗らないし、今後も乗る予定はないんだけど、デザインが面白い。

 

友人に「最近車に興味がある」と話したら「車ってほんと凄いんだよ」といろいろ教えてくれた。あと、どういうわけか、通勤のときに通るデカイ道路は魅力的な車が走る。

ポルシェ911、VOLVO240、スバル360。SERA。他にもいろいろ。

あとはミニカーを買ったりとかして、今は車が楽しい。

 

大人になって趣味にあーだこーだ言えるようになってからの世界だから「これはここがかっこいい」「運転するときの身体の姿勢はどんな感じだろうか」「同じ赤でも外国のはちょっと色味が違う」とかずっとやってる。特に、色出しに関しては乗りたくなる魅力的なバランスに非常に興味を持っている。乗ってる側も飽きないだろうし、毎朝見かける俺も飽きない。ありがたい。

 

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その色出しがたまにプラモに宿るときがある。エレールのルノー8ゴルディーニはきっとその中の一つだ。箱を開けた瞬間に見える水色は、なんでこの色のものが今は少ないのか?と思ってしまうほど(もちろん、塗装を前提としているからなのだけど)。

爽やかな水色、というよりは端的に「良い水色」。

 

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それでいてシートはゴム。ハンドルは銀。色を塗らなくても楽しくあってほしいという願いなのか、選択肢的にそれしか無かったのか、どっちにしても面白いし、出来上がりを見ると室内のキラッとする銀のハンドルとマットな黒いシートは何故か車を車らしく見せる魅力がある。

 

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こういう、なにか考え方がそもそも違うような事象を人はセンスだとかなんとも言えない魅力だとか話すのだろう。だって、銀色のハンドルを、色を塗らずに突っ込むと何故か室内に見せ場が生まれ出してかっこいいのだから。これを狙ってやってるならすごい。

 実物があるものなのに「プラモはプラモとしてひとまずかっこよく成立させましょうよ」と考えてるってすごくないですか。偽物だけど、これもいいでしょって。

 

 

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それにしても写真に撮ったときのこの豊かな立体感が生み出す光の潤い感よ。

微妙な曲線が、形に豊かさを持たせ、それが動く。それが家にある。

楽しいですね。

 

 

エレール 1/24 ルノー R8 ゴルディーニ プラモデル FF0700

エレール 1/24 ルノー R8 ゴルディーニ プラモデル FF0700

 

 

飛行機を作りたくなる時

ツールドフランスを10年ぶりくらいに見ている。

今年は、開催期間中ゆっくり過ごせそうなのでJ SPORTSと契約して見られるようにした。10年だ。10年間、俺の夏に平穏はなかった。

その間、様々な仕事をしたが確かにそうだなと思う。帰りが遅い、休みが不安定、仕事があまり気分のいいものではない。気分の良くない仕事。それで余裕を失う。

ただ、今年は見られている。

 

ツールドフランスをいつか彼女と家で」

 

なんて夢は今年、奥さんとついに叶えられた。

 

二人でレースの模様を見たり、空撮で映る畑アートや、フランスの町並みを見てキレイだとか行ってみたいだとか、行ったことがあるとかそういう話をしている。

 

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空撮で綺麗な町並みを、ただただ映してくれているのはありがたいことなのだけど、それを見ていたら、飛行機が作りたくなった。空を飛んでいる映像をこんだけ見させられる機会もなかなかないだろうし、それで「作りたくなる」というのも珍しい感情だなと思ったので気になっていたAIR FIXのアインデッカーというプラモデルを買うことにした。

 

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機種に関してはかっ飛ばすジェット飛行機ではなくて「空撮のスピード感で飛びそうだな」というイメージで選んで、マイヨジョーヌの黄色にしたいと思ってそのまま黄色に塗って完成。黄色は塗るのが難しいが、こういう楽しいイメージになるのは良いことだ。

 

模型は、いろいろと進化していて、海外メーカーのものも簡単に手に入るし、加えて言えば作成に必要な道具もだいぶ良くなっていると思う。あと、大人が作るという点から言えば筆塗りで完成させる場合にはそこまでお金をかけずとも楽しめる良い趣味だと感じる。

 

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あとは、本当に楽しみ方なんだろうなと思う。

 

俺はある程度グラフィカルにまとめるのが楽しいと思う人なのだけど、そのせいか「ツールドフランスで空撮の映像見てるから、黄色い飛行機作ろう」なんて話が普通に浮かぶ。そうするとツールドフランスも模型も両方楽しくなる。

 

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何かを黄色く塗る機会は他にもたくさんあると思うが「今、黄色く塗る意味」というのを考えると自分にとってはこの機会が一番だったと感じているし、大変だけど形にしようと思う力が強く働いた。

 

何度か「俺はこの形を作りたいと感じている」と思うシーンに出くわし、それをこのブログに書いているが、この高揚感と意志力が前のめりになっていく感じに反して、ある種の気長さが模型には求められるのが面白い。

 

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黄色だけだとどうにも間が持たないので余っているデカールを貼ろうかどうか悩んでいるけど、自動車のデカールが飛行機に通じるのか怪しいので保留中です。

 

色を塗るのは大変だけど「色を塗りたい」と思える動機と共に進めると完走できるかもしれません。 

 

エアフィックス 1/72 フォッカー EII アインデッカー プラモデル

エアフィックス 1/72 フォッカー EII アインデッカー プラモデル

 

 

 

エアフィックス 1/72 ドイツ軍 フォッカーE.3 アインデッカー プラモデル X1087

エアフィックス 1/72 ドイツ軍 フォッカーE.3 アインデッカー プラモデル X1087

 

 

 

 

 

 

 

 

模型よ手軽に

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入谷朝顔市で団十郎(これは正確には新団十郎)だけの鉢があって奥さんも欲しいって言うし、何よりも森見登美彦の世界のようなリアルファンタズムな感じって言っても現実そのものなんだけどそういう雰囲気を持って帰りたくて買ったんだけど、そのときに売ってたおじさんが

 

「これは六号鉢ってサイズなんだけどよーできれば八号鉢に変えてくれっと長く楽しめるからさー。100円ショップでいいからさ」

 

なんて話をするのよ。で、その次の日に100円ショップに行ったらあるわあるわ園芸グッズ。言われた八号鉢に加えてシャベルと鉢の底に入れる石を買って、虫よけのネットととかは、プラより銅製のほうが良いかなってそばのホームセンターで買えたりしちゃう。いや園芸ってくっそ身近な趣味だなって思うわけです。

そりゃ大人になるとやるわ。日々茂っていく感じとか花が咲くのとか面白い。

 

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でもさ、それが「手軽に」ってのがやっぱすごいなって思う。

 

そう思うとやっぱり手軽な模型って言ったってまだまだ伝わらないし「道具が身近にあってすげー」ってならないよな。なんて思うんだけども、園芸も同じで道具さえあれば、というか入手経路へのアクセスが面倒でなければ、軽率に欲しいものをなんだかんだ理由をつけて買えたりしちゃう。今だって朝顔を植え替えたあとの六号鉢に何か植えても良いわけだから。

 

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作る理由なんてその人が作りたいって思えば別に何でもOKでm本当は戦車でも飛行機でも車でもF1でも何でも良いんだけど今はツール・ド・フランスやってるから、そういう意味だと自転車と人の組み合わせはピッタリ。画角の関係で今はテーブルに置いてるけど、テレビの前に置いとくと面白い。

小さいテレビなんだけどコイツらがいるだけでオーロラビジョンになるのとか不思議。

 

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パッケージではカモフラージュなのかヘルメットに葉っぱが付いてるんだけど、朝顔買ってきて、ツール見ながらこんなの作るって面白いよね。

 

あとは、最近だと気づいたら雑誌で隈研吾のインタビュアーとかしてる専門学校時代の恩師がトヨタ2000GTを絶賛してて、それを見ちゃうと車が気になったりする。作ってみると

 

「へー、先生にとってはこれがカッコいいのか、なるほど……」

 

なんて業界の大大大先輩の感じていることを手を通じて感じることができるのも楽しいんだろうなって思う(しかも加えて簡単キットのトヨタ2000GTが発売されているのも良い)。

 

 

 

模型ってそれを作る過程にある一種の「緻密で壮大なことをしている俺」ってのも楽しいんだけどそれとは別に、こうやって周囲のものや人にふら~っとついていくみたいな感じで作るのも全然楽しいので、まずは一個、気軽に作ってみてはいかがでしょうか。

 

 

J SPORTSオンデマンド

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ツール・ド・フランスといえばJ-SPORTS

今はFireTVとかで手軽に見られるのね。本当に、神。