色を集めるっつー手段がありまして、この辺はあんまり模型誌では語られないような気もしますが、一つ明確な手段で木を一本ズドンと植えるような楽しさがあります。
簡単に言えば日頃、目にする色に関心を持ちましょうって話なんですが、例えば消防車と郵便の小さいワゴンが偶然にも2つ通り過ぎると2つの異なる赤があることに気づくんですよね。前者が黄色っぽい赤だとすると後者は青っぽい赤だったりします。
そんな風に見てみるとタミヤアクリルの特に艶アリの色って絶妙なストライクゾーンっていうか最大公約数の色をしてるんですよね。誰が見ても「赤」「黄色」みたいな。それをさっきの二台の赤い車の話みたいに少し微調整するだけで、もっと焦点が絞られます。
そんな感じで飛行機を水色に塗りました。
少しだけ黄色と白を足して。
飛行機は「エアレーサー風」とかやろうとすると、その風味を決定づける翼全面に渡るデカいロゴみたいなのがなかなか用意出来なくて、リボンのついてないキティちゃんみたいになるような気がしてるんですが、その辺を一切無視してぶっちぎるやり方として「色にめっちゃこだわる」ってやり方がありだと思うんですよね。そうすると目的と手段がクルッと入れ替わって「良い色の飛行機を作る」みたいな感じになります。
ここまで来ると初めてタミヤのウォーバードなんかに代表される1/72の飛行機のもつ小ささの割にデカ目な平面としての翼が塗った色をばっちり見せてくれるステージになったりします。ムラなく塗るのが比較的簡単でキラッと光る、素晴らしいカラーチップ。これが、カーモデルだとなかなかこうはうまく塗れなかったりして。
で、出来上がるとなんだか良さげな色の塊が生まれます。飛行機を飼うなんて創作話を見かけましたが、まさにその通りでジャングルとかにいる発色の良い鳥みたいな感じですね。
プロペラなんかは筆でスッとひと撫ですれば良いですし、先端部分もそうですね。この辺でアクセントをつけるのが吉です。明度差、色相差をつけて楽しくしましょう。
僕はエンジンカウルに相当する部分が別パーツだったりするとそこもメインの色との対比が面白そうな色で塗ってパキッと境界線を生かして仕上げて、パーツ分割の面白さを目で見て思い出せるようにします。
良い色の飛行機、作りましょう。