Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

Eduardの張り線 wnwのある生活-4-

複葉機を作る上で試されるのは、レンジャーの様な心があるかだ。

通常の組み立て作業と比べると少し頭をひねる場面があり、そこは説明書に「頭をひねりましょう」とは書かれていない。

 

また、一見工具と呼べないようなものが製作に動員され活躍する点もポイントでそこにレンジャーのような、その場にあるものを道具にする力が試されるような感じがする。

 

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 例えば私は部屋にあった端材を使った。これは今回とても活躍した。寝かして使えば本体と上翼を重ね合わせるときの土台として、立てて高さを出せば張り線のテンションをかけるための支柱として活躍してくれた。これは専用のものとして模型売り場に置いていないが、そういうものが役に立つ、組み立てるための道具を組み立てる感覚も楽しみの中の一つで、そこに他の模型と少し違うアイデアが要求されている点はとても魅力的だと思う。

 

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目玉の一つの張り線は、準備を入念に行えばそこまで難しいものではない気もした。ただ簡単だとも思えないが。

準備というのはしっかり根元を固定をすることや、線を見失わないように先端にマスキングテープなどを付けておくことを言う。そしてそれぞれが快適に行えるような道具の選定も必要だ。この辺が面白くも難しい。この作業が「少し難しいけどできなくもない」と感じられるのであれば間違いなく完成させられる。私がそうであったから。

 

また、ここまでの過程はもしかすると登山やキャンプなどアウトドアな趣味を持っているとより上手くできるような気がする。入念な準備と道具の工夫はそれに近しいものを感じるからだ。私の場合はイベントの出展、会場設営の感覚が近かった。

 

道具や張り線を張る準備ができた後に私の考えが甘かったところがあった。それは、張る順番だ。これは少し考えて進めた方が良い。おそらく、奥から前に順番に張るのが定石だと思うが順番は一度、よくシミュレーションしておくと良い。

 

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重りはクリップを使った。場合によってはガン玉などをクリップマスキングテープにつけたりしたがそこまで変わらなかったのでこれはしなくて良いだろう。慎重に、どれをどこに通すか考えて貼るといい。また、時間をかければミスも大分しなくなるのだとにかくゆっくり確認しながら進めると良い。

 

手順は

 

1.上翼、下翼の張り線を通す箇所に穴を開ける(前者は貫通させないように注意)。

2.上翼の穴にテグスを入れ瞬間接着剤で止める。

3.翼を重ね合わせ、複葉機の形にする。

4.テグスを下翼に通し、重りをぶら下げてピンと張らせて、瞬間接着剤で止める。

5.はみ出た線を切る(カッターやデザインナイフで行う方が多いようだがニッパーで大丈夫だった)

 

という形をとる。もちろん2と3の間には模型の組み立て作業が入ったりと各々の工程の間には模型制作の工程があることは理解していただきたい。尾翼部分の張り線は上下に渡すわけではなく前後に渡すので、尾翼に楊枝を寝かして、固定する部分と高さが合うようにするなど、工夫した。とにかく、そういうことがいちいち求められるので、それが楽しい。

 

最後に使って良かったもの、あると良かったものを書くことにする。

 

使ったもの

・釣り用テグス 黒(直径は調べて適切なものを)

・クリップ(重り)

・木の端材

・マスキングテープ(テグスの先端に目印としてつける)

・使い切りタイプの瞬間接着剤

・虫ノズル

・ピンセット

・小サイズのカッターマット(この上に柱を立てた作業場をデコレーションケーキのようにクルクル回しながら作業をするととても良い)

 

使い切りタイプの瞬間接着剤は鮮度を保てるので思わぬミスが格段に減る。虫ノズルをつけてピンポイントで接着させる。

こうしてリストにすると張り線という作業は実際はテグスを張るだけなのだが、各工程を楽にしたりミスをなくしたりするために道具が存在していることがよくわかる。

 

あると良かったもの

・色付きのマスキングテープ(複数色)

 

マスキングテープは色を用意して、ペアになってる張り線ごとにつける色を変えると便利。

 

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今週の物販

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カワサキT-4を1dayモデリングした

カワサキT-4という飛行機を1dayモデリング向けに入手して作り上げた。何をどのように作るのか結構悩んだが形になる速さを考えて飛行機にした。大きさは小さい方が良いと思い探していたら、これがそれに該当したというわけ。

 

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1dayモデリングTwitter上で開催されているその名の通りのイベント。一日で仕上げましょうというルールで、結果からいうととても楽しく作れた。

 

私は、箱絵の通りに作れない人でもあるが、限られた時間で完成を目指すとなると余計にその傾向は強まる。自分のできることと集中力をうまく配分してゴールまで走り切るにはどうしたら良いかを考える。あとは、限られているからこそチャレンジしたいこととかそういうのをぶつけて遊ぶ。

 

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今回は後ろ半分の成型色を残してあとは気分に任せて塗ることにした。爽やかな白の成型色似合うようにキツすぎない水色。なるべく淡く、でも水色と分かるような境界線を探す。白と水色の組み合わせ結果的に青空の様をうまく表しより一層爽やかな姿になった。後ろ半分だけ雲の中にあるみたい。

 

デカールは好きなように貼ることにした。「好きなように貼る」といってもある種のまとまりは必要そうだったのでバランスを見ながら。

 

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あとは、写真を撮ったときの密度感を気にしたり。今の模型の楽しみ方の一つだよな。写真を撮ったときにどう見えるか。これはまぁ、結果的にラリーカーのデザインの文法をなぞることになるんだけど、撮りたいところにデカールを集めていくとうまくいく。あとは色の境目を跨ぐように貼って馴染ませたり。そうするとうまく纏まる。理論のある纏まり方になるのであとはデカールの造形の面白さに助けて貰えばオッケー。

 

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1dayモデリングってことで、限られた時間で作ることになるけどだからこそ、こういう遊び方をする、制限の中で生まれるアイデアを形にするというのは楽しいと思う。

wnwのある生活-3-

模型にはドラマがあって複葉機は思った以上にドラマチックだ。

 

あの古臭い見た目を単にレトロだとか、渋いとか可愛いとかいうのは簡単だし、私もそう思うがどうやらそれだけではないらしい。これは飛行機模型が持っている「なんで飛ぶのかはさっぱりわからん」という要素と関係がある気がする。車を作れば走る仕組みがわかり、戦車の砲塔を作ればそれはそれで何かがわかる。そして、それが模型の楽しみとされたりすることがあるにはあるが、飛行機は少し事情が違うように感じている。エンジンに翼がついてプロペラが回って飛ぶ。せいぜいそんなもので、ジェット機になるともうわからない。翼は翼でそれ以上にはならないというイメージがある(もちろん、調べればそうではないのだろうが)。

 

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試しに複葉機を1つ。と思ってエデュアルドのファルツを買って作っているが、複葉機ジェット機と比較すると少しわかることが多い。というか、わからせる作業が2つある。それは翼を2枚重ねるところと、張り線だ。前者はいざやってみると「ここが一番難しいのでは!?」という様相を見せるので今日はそこを書きたい。

 

この作業、無理にやろうとすると今までの作業が無駄になる可能性を感じさせる。きっと、支柱をどういう風に組み付けていくのかの回答はメーカーもユーザーも知恵を絞る場面なのだろう。一筋縄ではいかない雰囲気で、一度流れで試してみたが、見込みが甘かったので、ここで作業が止まっている。

 

ここで役に立つのはきっと今までの組み立ての知恵で、それはおそらく模型に限ったことではない。家具とか、そういうものを組み立てる経験や、仕事でなにか仕組みを作る経験とか。そういうこと。もしかすると模型の組み立て体験だけでは上手くいかないかもしれないとも思う。

説明書の通りというより、その奥のそれぞれがどの順番につくと効率がいいのかを考える必要がある。正解不正解がどのようにあるのかは私はわからないが、ただ1つ言えるのはここは今までの模型と少し、違う準備が必要なこと。しかもその準備はおそらく、キットにも自分にも嘘のない手順であることが大事な気がする。

 

もっと抽象度を上げたような話をすると「説明書」と「パーツの意味」をよく見る必要がある。どこを最初につければ良いのかをしっかり考えるとうまくいく可能性が上がりそうだ。その「考え方=生まれる選択肢と、それを選ぶこと」に今までの組み立て経験や、それ以外の何かが十分に作用する。

 

そんな事を考えていると少し、飛行機を作っている気分になる。

 

この順番で取り付けたら……と頭でシュミレートするときに浮かぶ映像は手が動かしているわけではなく、クレーンのようなもので吊るしたり、声をかけたりしているもので、その様子に「はっ」と驚いて機体を固定する必要があると気づく。そうして、現実と想像の往復をしているとどうにも手の動きというよりは、先程あげた実機を組み立てているような絵ばかりが強くなる。

それを、無理やり模型製作の動きに変換して、実行可能かどうかを考える。

 

そんなことをやっていたらもう一週間が経って、週末が近づいてきた。

 

普段は課題意識を持って模型に取り組むということと真反対の人間なのだが、今は「WnWが家にあるが上手く作れそうにない」という状況を精一杯楽しもうというわけで、わざと本を買ったり、回り道で別の飛行機を作って様子を見たりというやり方をしている。

そうしている自分を省みるとWnWが部屋にあるだけで、自然といつもとは違う向上心が生まれ、そこには試行錯誤の山がそびえ立ち、結果的に模型が上手くなると言える。

 

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今週の物販

 

ドイツレベル 1/48 ステアマン PT-17 ケイデット 03957 プラモデル

ドイツレベル 1/48 ステアマン PT-17 ケイデット 03957 プラモデル

  • 発売日: 2016/05/22
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

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