革靴って脱ぐのめんどくさいし履くのもめんどくさい。
そこになにか信仰のような「男の仕草」として靴べらを使って履くとか、靴紐を解いて脱ぐという流れがくっついて来て、何とかなっている存在でもあるなと思います。
ただ、この動きはどの靴に関しても靴が長持ちするので習慣として身につけてしまうと良いですね。僕は先週書いたとおりに引っ越したのですが、そこで外出しては戻って外出しては戻っての繰り返しを自分が思っていたよりも沢山行いました。
その中で偶然にも、この靴を履いていたのですが「ああ、やっぱりやるな」と思った次第なのでご報告。
密かに流行っているような、まだまだこれからなのか。っていうブランドです。
何度か私はここの靴を本にしていますが、個人的な思いとしてはここの靴は、いわゆる高級な九分仕立てと呼ばれる製法よりは、軽さと柔らかさが映える「マッケイ製法」あるいは「マッケイセメント製法」をオススメします。
理由はいくつかありますが、ブログなどを見ての通りでここの店主はおそらく僕が考えている以上に「自分が売りたい靴」について考えていて、デザインと革はその思想が濃い目に反映されています。そんな靴の底付けのラインナップになんで「マッケイ製法」や「マッケイセメント製法」を選んだのかを味わう必要があると思うからです(念の為言っておきますが、グッドVSマッケイ論争とはぜんぜん違う話です)。
というわけで私が一年前?もっと前?に頼んだ靴はこちら。
マッケイセメント製法で作られていますが、その話は後ほど。
この靴、少し知人と仕事仲間と話題になったんですが、少しデザインの重心が前なんですよね。羽根(紐を通す穴)の一番手前が結構つま先寄り。それが良いのか悪いのかは私は「そこに何か意図があるのかどうか?」でしか判断できないのですが「小指側がグッと膨らみながらもつま先は思いの外、品がある」というかなり特徴的な木型をしていますので、その形状との折り合いをつけるためなのかな。なんて思ってました。
しかしですね、これが一日に何度も何度も何度も脱ぎ履きしていると変な感じがしてくるんですよね。「なんかいつも履いている靴と違うぞ」って。
それで改めてデザインを見ると「ああ、やっぱり」という感じ。
羽根の前よりな位置と、それと大きさがあって、羽根が開きやすくなってる。
つまり脱ぎ履きしやすくなっていると。
まぁ、これは結局の所、個人の主観ですし、実際は「私の足とこの靴との相性がたまたまそう感じさせるだけだった」ということもあると思います。
なんでここで、こういう話をする買っていると、おそらく靴って「足と靴の相性」があってそれに加えて「その人が『適正だ!』って思うサイズ感がぜんぜん違う」ということが多分にあるからなんですよね。その辺、説明が結構面倒というか、正しさを例えば何かのサイズ表を頼りにして見るとかそういう話に一見なりそうで、それでも履く人自身が決めないといけないことでもあるからなぁ。と思うんです。
少し話は変わりますけど子供の頃の視力検査とかで1.0が正常だって言われたりしますけど、今こうして大人になると仕事のせいもあって0.8くらいが落ち着きますし、パリダカなんかに出る人は逆に1.5だか2.0だかまで見えるようなメガネを掛けるなんて話も聞きましたし、結局そういうことが靴にもあるなというような、そんな話がどうして靴にはあまり出ないのかとかっていう長々しい陳述になるんですけど。
そんな話はすっ飛ばして、さっきのマッケイセメント製法の話。きっとここの靴の目玉というかおすすめメニューはこちらです。理由は、なんでしょうね。考えに考えて決定しただろう製法な気がするから。ではダメでしょうか。
マッケイセメント製法の靴は私も他に何足か持っていますが、メリットとしては軽い履き心地、修理のしやすさ。そして価格の安さがポイントな気がします。
マッケイ製法でアッパーとミッドソール(革)を縫い合わせて、ミッドソールにラバーソールをペタッと接着剤で貼り付けるという。ラバーソールが減ったら剥がして貼り付けるという修理ですね。何度かやっているとミッドソールが駄目になってきてそしたらミッドソールも変えて……というわけですね。
おすすめは部材は写真の一体型で、スニーカー感覚で履けるのが良いと思います。
素材は、まぁ、よくわからなかったら店主に「俺はこの靴をこんな風に履きたい!」というのが正解な気がします。
私は
「洋梨のような色合いで履けば履くほど洋梨の追熟のように、それの良さが増すようなものにしたい」
というリクエストでした。
それでは最後にさっきの靴のつま先のアップの画像でお別れしましょう。
グリーン(というなのカーキ)とブラウンのコンビシューズなのですが、グリーン部分が茶色がかってきたりしてなんとも言えない表情になっているのが見所です。