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毎週木曜日更新です。

第27回 #文学フリマ東京 出店レポート 

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いつものブース。今回は文字だけポスターと表紙ポスターを復活させたけどこっちのが足止め率高し

 

 

第27回文学フリマ東京に出展してきました。

今回は当日、起きたらiPhoneが充電されておらず、部屋中の充電ケーブルを挿しても全く充電しないという緊急事態からのスタート。

とりあえず、その報告をツイートし、あとはもうフォロワーの皆様に宣伝をお願いするという散々な展開でしたが、本当に皆様に助けられ、いろいろな人に訪ねていただき、無事、既刊新刊合わせて60部完売することができました。

 

一年半だか二年ぶりの完売ですが、上記の件とは別に単純に今回の文フリは動員が多かったと思います。「4000部の入場者向けに配布しているカタログが無くなった」という放送は初めて聞いたような気がしますし。午前中から、サクサク売れるなと思ってたらそこから昼ごろまでにかけて波があって、更に夕方まで動員が続くといった感じ。

 

あと、今回は私も朝の一件でそわそわしていたものの体力的にはバッチリ&お客の動員がいい感じだったので「午前中から接客を全開に行う」ということがなかったので15時くらいに完売が見えてきたあたりでもまだしっかりとお客さんと話せるコンディションになっていたのが良かったです。

 

なので開場から閉場までタイプは違えど同じような熱量で来てくれた人とお話できたのは自分では成功だなーと思いますし、そこから一見さんに買ってもらえるケースが増えてもいたので今回は「リピーターよりも新規が多い」という売る側にとっては非常に嬉しい結果でした。

 

そして印象的だったのは左隣のUFO手帖を販売するSpファイル友の会の方。

私は「文フリは対面式の即売会なんだからある程度は接客をすることで売れる」ということをいろいろなところでふんわりと書いていましたが、それは自分が「意識的に接客を行って売上を伸ばしている」という事実に基づくものだったのですが、左の隣の接客を見て「やっぱり接客すると売れるな」と客観的に見ることができました。

 

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結局気になって仕方が無くなったのと、こういうすごい人がいる!という記録のために購入

 

Spファイル友の会の方の接客、もっと広く定義するなら声掛けは非常に面白くて、僕はそれを隣でずーっと聞いているんですよ。一日中。でも、それでも飽きないんですよね。「じゃあ、毎回言ってることが違うのか?」というとそうでもない。フレーズと、話の流れは大体同じ。トークスクリプトがあるという感じですね。でも、それが本当に面白い。何が面白いんだろうと思いながら、自分のところに誰も来ない時間に耳を傾けたり周りを見ていたら、やっぱり周りの人も笑ってる。

 

その雰囲気をなんとなく観察していると笑ってる人たちの空気感は、私の主観ですが「またやってるぞ」という感じ。声をかけた人が立ち止まり、本を手に取り、それを面白おかしく解説して、それでその人がクスッと笑って……という流れを僕も含め周りはまるで自分だけが2周目のコメディ映画を見ていて「ここで、みんな笑うぞ……」とワクワクするような感覚を持っていたような気がします。

それに気づいた瞬間

 

「この周辺の空気は、この人が持っていっている。状況をこの人が作っている」

 

と驚きと謎の危機感がまず生まれ、そして自分もこれは真似ができるのではないか?という気持ちが生まれて、後半は真似してみましたが、これが本当に効果があって驚きました。向こうはUFOの本、私は革靴の本ということでジャンルは全然違いますが物珍しいという点はほとんど同じ。なので話し方をトレースして、要素を差し替えるだけ。ただ、その人の個性そのものはコピーはできないですし、私も自分のサークルがどういう感じでウケているかは多少は知ってたのでその辺は調整しましたが。

 

こういう「接客」とか「声掛け」って、話し方とか口が上手いとかそういうものが先に立ちがちですが、それでも結局はなんていうか自分が作ったものにどれだけ詳しいのかとか、そういうエネルギーが根本にあったりするんだろうなって思います。「テクニックを知らないから話せない」ということはもちろんありますし、その辺は私はnoteの有料記事で売っていたりしますが、ただそれとは別のところで「売るもの自体に愛着や熱意がないと売れない」というのはあるんだなと改めて感じました。

 

「売る」というのは、仕事では利益が出ることかもしれませんがこういう場では「多くの人に手にとって読んでもらえる」ということでもあります。

 

僕が売るのは「完売という目標を常に掲げている」ためだったりしますが、それとは別にやっぱり多くの人に読んでもらえてTwitterで「クリスチさんの本、すごい面白い……」と140字MAXあるいは連投も辞さないくらいの感想がたくさん出回ったらすごいうれしいと思いますし、そういうことにも「売る」ことが関わっているんですよね。

 

そういう意味ではやっぱり、研ぎ澄まされた接客で自分の本を売る姿で輝きを放っていた姿はかっこよくて、自分も負けられないし、そうでありたいと思える、良い文フリになりました。

 

あとは今回の嬉しい話をざっと

・「新刊ください」は相変わらず嬉しい(リピーターの人がいるような嬉しさ)

iPhoneが壊れた中でいろんな方がリツイートや宣伝をしてくれたのが嬉しい

Twitterで紳士靴九話と合わせてあげてくれた人がいた(幻の最速完売本で増刷までした本です)

・まさかの「noteすごい面白いです。続けてください」という嬉しい感想

・一見さんが今回は本当に多かった(見本誌を見て、Twitterを見てとのことでした)

・前回の文フリで買わなくて後悔していましたと言ってくれたこと

・最後の一冊がサクッと売れたのと、その人が「こんなに靴の事をガッツリと書いた本はないのでいつも楽しみにしています」と言ってくれたこと。

・著者紹介があったほうが絶対良いですよ!と「確かに!」と思うアドバイスをくれた人がいたこと

 

というのが非常に嬉しかったです。

 

最後になりますが「生活と革靴2」はネットに上げてもただただ美談として消費されてしまうような話を一つと、年をとっても若々しいことが素晴らしいとされることに対して、など今、あんまりネットには書きたくないけど、わざわざこういう場に来てくれるような人には読んで欲しいという話を書きました。

特に前者のことに関しては、心底そういうことになるのが嫌だったのと、それでもそういう、伝説を持った存在を誰かが何とか残しておかないといけないという気持ちがあったので書きました。それが、こうして全部売れたのは非常に嬉しいことです。

 

皆様、本当にありがとうございました。接客最後の決め台詞「ぜひ楽しく読んでください」でこの記事は終わりにします。