Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

模型にオーセンティックはあるのか

パンツはリーバイスの501、靴ならコンバースアディダスにナイキ。レッドウイング。リーガルだってそうかも知れない。シャツはブルックスブラザースのボタンダウンにでもしておこうか。時計ならセイコーG-SHOCK。まぁ、何でも良い。定番でトラディショナル、そんな物が模型にだってあっていい。

 

模型には、特に最初の一個の場合は買う側が「絆を感じるかどうか」みたいなことが大事だと思っていて、それは例えばフェラーリだとかランボルギーニだとか自分から遠ければ遠いほど割と容易く結ばれると思う。「いつか乗りたい」なんて。

反対に道路をバンバン走っている車に目をつけたりするのもグッドアイデアだし、俺はそのせいでプロボックスが毎日どれだけあらゆるところを走っているのかを知った。

 

gendai.ismedia.jp

 

ただ、もう一歩踏み込んで、結構かっこよくて、たとえそれきりでプラモを作ることを今はやめたとしても、置いておくにも悪くなく、作りやすいものはないのか。リーバイスやレッドウイングはそれに興味がなくなっても格好良いし、G-SHOCKだってとりあえず持っていれば出番がある。どれだって適当に用いてもだいたい大丈夫だ。

 

そういう、なんとなく置いておいて、存在を忘れてもまた思い出したらちょっとグッと来る。そんな模型。

 

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タミヤのHONDA S2000 1/24は多分そういうキットだ。

成型色っていうプラスチックの色が絶妙で、色を塗らずとも前から見るとこんな感じでかっこよくなる。プレミアムトップコートの光沢って仕上げのスプレーを吹いてはいるけど、吹かなくてもかなりキレイだ。

 

車のデザインは俺は全然わからないけど気合が入っているのは写真を見ればよく分かる。シャープで勢いのあるデザインで、角がしっかりと立っている良い塊だ。

今もパソコンの横に置いているけど、横目でちらっと見たときの光の反射が非常に豊かで車の面白さを目で感じることができる。

 

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また、オープンカーだというのがかなりのポイントだと思う。

オープンカーは中を容易に見られる。シートやハンドル、ダッシュボードなどなど。模型を始めミニチュアの良さは全体を眺められる楽しさと、グッと寄ってみたときの没入感だと思うのだけど、屋根で隠れてしまうとそうは行かない。

オープンカーはその点ラッキーな存在だ。あと、日常的に稀に走っているのも素晴らしく、なんか少し特別な感じがする。「あ、オープンカーだ」って特別に感じる気持ちは部屋にそれがあることをちょっと良しとしてしまうスイッチとして機能する。

 

「いいなオープンカーのプラモが家にあるのって」

 

なんて。

 

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背面のランプ類は塗装の必要有りなんだけど、塗っても塗らなくてもそこまで変わらない気がする。ただ、車を何台か作ってて思うのは「コレ塗るだけで全然雰囲気変わる」ってこと。でもこのS2000しか作らないかもしれないし、仮に何台か作ることになったときに「確かに塗るだけで雰囲気変わるわ」って楽しみにとっておくのもいいと思う。塗っていないのがあるからわかることだし。

 

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手で持ってみるとこんな感じ。

最近のスマホより少し縦が長いくらいで、邪魔にはならない。

自分が作った、かっこいいものが部屋にあるって絶対楽しい。

 

ビシッと引き締まった、伸びやかでスピンの効いた直球のようなデザインのS2000

もっと良いところに書くべきだと思ってたけど、「タミヤ」で「ホンダ」なのが良いよね。

 

私の欲しい物リスト 

 

今日の物販

 

タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.211 ホンダ S2000 プラモデル 24211

タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.211 ホンダ S2000 プラモデル 24211

 

 

 

 

 

タミヤセメント 流し込みタイプ (模型用接着剤) 87038

タミヤセメント 流し込みタイプ (模型用接着剤) 87038

 

 

 

セメダイン ハイグレード模型用接着剤 CA-089 P20ml

セメダイン ハイグレード模型用接着剤 CA-089 P20ml

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

板の塊。Heller Citroën Type H 1/24

「欲しい物があったら地球の裏側まで探せ」というのは服好きの友達と話す中で聞いた言葉だけどこれだって、俺の欲しいものだった。

勧められて気になる。そして買う。まだ趣味として成熟していないうちは良いと思ったもの気になるものは買いまくって、吸収し続けて栄養にする。

筋トレでは食べることも才能の一つとされるようだが、趣味でも似たようなことが言える。

 

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この特徴的なフォルム。トタン板のような波打つパネル。

谷中に止まっていることを俺は知っていた。これか、Hバン。

 

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この特徴的なパネルたちは塗装と組み立てで面白い体験をもたらす。

塗装時は、実車に刷毛で色を塗るような感覚をこの波板に沿って筆を動かしていくことで得ることができる。これは本当に驚くべきことで、私が普段言わないようにしている

 

「プラモデルって本物の構造を知ることができますよね!」

 

という言葉を思わず使いたくなる。シャッターとか、そういうものにペンキを塗っている感覚がそのまま蘇るし、この車自体も様々な色で塗られ楽しまれているので余計にその行為がリアルだ。筆で乗っていく塗料、凸がレールになった凹みに筆を走らせる感じ。

 

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組み立てに関しても板と板を組みわせて箱を作るということで、これもなんか妙な本物感。というか、立体的な何かを作ってくれと言われたらまずは板と板を組みわせるだろう。そういう、原始的ななにかを思い出させる。ああ「コンテナ」的だ。

 

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加えて荷室を作るときの強度をもたせる方法は、これは何でしょうね。プラモデルっていうか強度計算とかそういう世界なんですかね。実車の中は見たこと無いからあれなんだけど、頭がいいですよね。普通のことなんですけど、この普通を味わう経験が私にはなかったので「へーそうなってるのかなるほど確かに」と感心してしまった。

あと、スペアタイヤをつける部分の凹みが裏面に響いている感じとかも良い。

 

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この板たちで立体を生み出す経験は他のカーモデルとは少し違う。

そして「プラモがかっこいい」ということはは全てのパーツがパチっとピッタリ合うことだったり、精度の高い立体であることだけではないことを知らされる。

 

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俺が作った板の塊、Hellerのデカールに支えられて更にかっこよさを放っています。

大変だけど楽しかったので、その楽しいだけを抽出したいのでもう一台作ります。

 

 

今日の物販 

エレール 1/24 シトロエン FOURGON タイプHY プラモデル

エレール 1/24 シトロエン FOURGON タイプHY プラモデル

 

 

 

 

私の欲しい物リスト

 

 

水風呂

背中を抜ける水は身体の熱で温度が上がり、ぬるくなっていた。

 

一昨日、銭湯で水風呂に入りながら模型について考えたり反省をしていた。

途中で、遊びにそんなに熱くなっている自分をバカにする様に道具を投げ出し、テーブルから離れる自分が浮かんだが、模型は遊びは遊びだがこうして文章を書いたり何をどうするかを悩んだりする点では仕事に近いと思うし、それに自分らしさを注入してやろうと目論み仕掛ける自分を裏切るようで、もう一度考えようと思い直したときに心の熱が冷めないことと同じくらい身体の熱が冷めていないことに気づく。

 

水風呂は身体の芯まで冷やし切ることはない。

 

手元のG-SHOCK miniのストップウォッチは7分あたり。いつもなら5分と決めて耐える時間は過ぎているが、身体は、実のところは冷えていないという事実がよくわかる。むしろ、身体の中心へと意識を向けていくと内側から熱が発せられていることに気づく。皮膚はその境目で、その冷たい熱いの間にあるようで、今度はそちらへ注意を向ける。

指先などの末端は冷たい感覚の勝ち。腰や背中、腹などの中心部分はその逆。ここが熱源だ。

 

試しに寄っかかっていたタイルから背中を話すと、ぬるめの水が背中を通る。タイルと背中でせき止められていた水の温度が上がっていたらしい。

 

背中も水に触れるので、身体は360度水に囲まれたことになる。これでもまだ、暖かい。

 

身体は本当には冷えない。今、何分だ?17分。長い。明らかに長いがもう少しこの状態をキープオンだ。じっと身体の感覚を頼りにさらに浸かる。

俺は風呂に入っている間に良いアイデアが浮かぶことが多いので、感じることを忘れずに考えることにも意識を向け出す。

 

「HellerのHバンを作るということは部屋に、動物を飼うような感覚に近い。全長は別として高さがその存在感を増すし、何より手をかけてやらないと行けない部分が多いがその一方で、そのポイント1つ1つは構造と力を分からせるものであったり、何をどのように再現するとグッとくるのかを分からせ、惑わせる。手をかけてやらないと行けないと、書いたが自ずと手をかけたくなる。細かさに、席を立ちたくなるが、それと同時にもう一度、もう一度と腰を入れ直す場面が多いのも、自国の車を形にするプライドがそうさせるのだろう」