Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

仕事と模型

最近、プラモデルを作ってるんですが、箱を開けて説明書通りの手順をこなすと形になる。ただ、これはマニュアル通りの仕事でもあし、やらされ仕事なんだよなって思ったりもする。でも、マニュアル通りに作ることで形が出来上がるのは楽しい。これは作る側に楽しむ心があるからだ。

 

また、プラモデルはそれだけでは作れない。ニッパーや接着剤などの道具が必要で、それを用意するのは面倒だ。ただ、その一方で目の前の箱の中には道具さえあれば楽しむことができる。目の前の楽しみが詰まった箱の前で道具を揃えることを面倒だと思い、見逃してしまうのはもったいない。

 

これは仕事にも似ていることがあって、楽しみが詰まってるかもしれない箱を、楽しむためのものを用意することを面倒くさがって仕事がめんどくさくなったり辛くなったりする。その目の前の仕事はもしかしたら楽しくできるかもしれないのに、その前段階でやめてしまい、嵐が過ぎ去るのを待つのか出来損ないを作るのか。なんてことがある。楽しいかもしれない箱を開けすらもしない。

 

ただ、これには問題がある。フランスのプラモデルを作っているときに説明書が間違っていたことがあって少し苦労した。これは仕事で言えば、渡されたマニュアルに問題があったり、あるいはマニュアルそのものが提示されてないことに当たると思う。

だから私はプラモデルを楽しむようになってからは仕事を渡す人間になるときは、そういう、楽しんでもらうためにという心遣いを持って渡していた。なので受ける側、作る側だけが悪いわけではなく、互いに楽しみに向けての努力や工夫が必要だ。つまり作る側の楽しむ心だけではなく作らせる側にも楽しませるための仕掛けを用意する必要がある。

 

仕事をもらう側は楽しむために何かを学んだり揃えたりして箱を開けるためのエントリーをしないといけない。一方で仕事を渡す側はそういう風に思わせる気遣いをした方が良い。

 

そんな話を今日、退職に際しての送別会でした(覚えてる限りそのまま書きました)。

 

この話は続きがあるような気がして今、こうして書いてるんだけど、ある程度プラモを作り慣れてくると説明書の間違いに実は気づける。また、ここでひと段落、という説明書のメッセージにも気づく(切って貼ったパーツが全て繋がって、次の工程が全く違うカテゴリのもののときはきっとそうだ。エンジン周りやシャーシを作ったあとに一通り全てがくっついて、作業スペースに余剰パーツがない状態で、次にボディに入るときなんかは特にそうだろう)。

 

あるいはこうした方が良いものが出来上がる、という追求が発生する。

 

それは、自分一人でもできるが、誰かに教えてもらったりして知ることもできる。

 

また、プラモデルだけでなく実物に興味を持つとそれの要点がわかる。この成果物の魅力はそもそもなんなのか。それに気づくとカッコよくビシッと決まったものが作れる。これは、様々なところで言われる「コツ」に近いものだと思う。

 

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タミヤのウルフはF1マシンにはエンジンがあり、そこからパイプが伸び、パイロットの席があり、ハンドルがありとずっと一直線に貫かれる姿がカッコ良さを生み出していることに気づかされるキットだった。

 

おかしな話だが、プラモデルは俺にはそういうことを教えてくれる存在だ。

 

  今日の物販

 

出来上がりの、トラディショナルなF1マシンという姿は惚れ惚れ。

 

 

 

デカールがまじで難所なので早々に割り切ってレタッチ前提で。

 

アイデアが実行され形になるとき

オーシャンズ11を始めとするオーシャンズシリーズが好きで、中でも第2作にあたるオーシャンズ12でメンバーが「なんでオーシャンズなんだ?」と疑問を持った後にオーシャンが「アイデアは俺が出したから」みたいな話をしたか何かで、その後に仲間たちが「でも実行したのは俺たちだ」なんてこと言う。

そのまま続けて

 

「アイデアは実行されなければアイデアのままだった」

 

と放つシーンが一番好きだ。

イデアってそうだよな。そうなんだよなと思うところがあるので今も心に残っている。

 

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エレールのシトロエンHバンはドアを始め前面がクリアパーツという革新的なアイデアが面白いキットだが、これは塗装を前提とした話。なので私もこんな風に1つ作った。だけど、作ってるときに「このクリアパーツだけ色を塗れば意外と物になるんじゃね?」とダイレクトに車として成立するラインを攻めてみようと思った。これは問題解決さえすれば良いものができるという話。このキットは2バージョンから選択するので余ってるクリアパーツに色を塗って確かめて行けそうだったのでもう一個購入した。

 

その後、箱を開けクリアパーツだけをアイデアを実行すべくどんどん塗っていくのだけど、実際はクリアパーツは前部分と背面にあるだけで、このままでも悪くはないけど何か良くない気もしてきたのと乾かしてる間に、このキット特有の板と板を組み合わせる感じを楽しんでいると「これはプレート単位で塗るのは有りだな」と特徴的な部分に色を塗ることを思いつく。こうすると側面にも色が違う箇所ができるのでバランスも良くなる。

 

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特に、はめ合わせる感じが面白い後輪のカバーと、荷室のドアは塗るのも楽だし良いアクセントになった。その後、屋根を半分だけ塗ろうと思ったんだけど、ここで「アイデアは実行されなければアイデアのままだった」という事実に遭遇する。

 

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さっきまでの話はあくまでもパーツ単位の話だったがここは作為的にマスキングテープで区分を分けるので少し事情が違うのだ。これらは

 

1.クリアパーツを塗ろう(ダイレクトな問題解決)

2.組む際に特徴的な部分をプレート単位で塗ろう(問題解決の手法が発展する)

3.屋根を塗り分けよう(これは問題解決というよりは全体の見た目としてどうか。つまり「ひと目でモノとしてより面白くなるのはどんな仕上がりなのか」)

 

ということで問題解決の提案をより通しやすい形にデザインし直そうとバランスを取っている点が非常に面白い心の動きだ。最初のアイデアは実行され、発展し、より興味深い見た目に変化を遂げた(しかも、3のステップが入ることで1や2はむしろダイレクトな問題解決に見えず見た目のデザインのために行われたようにカモフラージュされるのが面白い。本音が建前によって隠れてしまった)。

 

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そんな形で最初の私が考えていたことは種になりツルを這わせ花が咲いたのだけど、こうしてしまうともはや先入観など不要と言わんばかりにデカールも最初に決めていたHellerのマークのものではなくビスケット屋のものを貼らざるを得なくなってしまった。どうみてもそれが一番素敵にこのトラックを見せる手段なので。

 

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クリアパーツは表は塗らずに、裏から何度も重ね塗りをすると波板の表情に軽やかさが出て、それも良かった。

 組んだ体験をもとに部分的に色を塗って楽しむ。

独特の良い体験ができたと思う。

 

もう一台の記事

re-11colors.hatenablog.com

 

私の欲しい物リスト

 

 今日の物販

 

 

 これはマジで面白いです。

 

 

エレール 1/24 シトロエン FOURGON タイプHY プラモデル

エレール 1/24 シトロエン FOURGON タイプHY プラモデル

 

 amazonだと高め。楽天、ヤフーだとまだあるかも。

 

 

エブロ 1/24 シトロエン Hバン プラモデル 25007

エブロ 1/24 シトロエン Hバン プラモデル 25007

 

 こっちも作ってみたいですね。

カリモク60のミニチュアを買おう

数年後、店でお客さんに「え、なにこれかわいい。売ってないんですか?」と言われ「ごめんなさいこれ、数年前にガチャガチャで売ってたやつで」とならない未来の案とヒント。

 

昨日、カリモク60のミニチュアがケンエレファントから発売された。

 

 

家具界のTricker'sことカリモク60はそのシンプルながらもずっと作られているからこそいつまでも古くならない見た目と日本の住宅に合うような(これはつまり和室においてもなんとかなってしまいそうな。ということだ)雰囲気が特徴のブランドだ。

そこのミニチュアが出ている。これ、多分ずっと古くならないんですよね。本物同様でいつまで経ってもずーっと同じ調子だと思う。引いて打たれた大駒のよう。

 

これはもうオリジナルのプロダクトが極めて静かでありながらも特徴的なデザインで「何もしないのが良い」みたいな風潮をふっとばすほどのデザイン強度を持っているからなんですけど、だからこそ冒頭の未来が予想される。

 

じゃあどうすりゃいいのって話なんだけど、そりゃスーパーで買う卵みたいに「カリモク60のミニチュア買うか」っていつも手に入れられれば最高なんですけどそうはいかない(いったらありがたい)。だったら、って話になるとこれはもう車と同じなんですよね。

ディーラーで売ったり貰えたりするミニカーと結構親しい存在だと思うんですよ。

今、カリモク60の対象商品ご購入なら「ミニチュアファニチャープレゼント」って。

販促ツールでずっとあると嬉しい。それくらい良い。

 

まぁ多分、私みたいなのが思いつくくらいなのですでに話はまとまってるかもしませんが、これそうとう「良い」と思うので実現してほしいというか、冒頭の未来よりも良い未来な気がする。それでうっかり、期間中にスタックチェアとか買うもんな。

 

 

 

だって今、俺の部屋のDテーブルの上にDテーブルのミニチュア置いてあるんだけど、すげー面白いし、気分がいい。

使ってるもののミニチュアがあるってこういうことなんだってわかる。奥さんも笑ってみてる。

 

あとはDチェアの座面が緑色のやつが出てくれると最高にハッピーなのでケンエレファントさんには第二弾を本当にお願いしたい。

 

明日も買いに行ってみよう。