Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

A ME RI KA ハセガワ ブルーエンジェルス F/A-18A ホーネット

飛行機って結構楽しいジャンルの模型で特にジェット機なんかは非常にカッコいいものを作っているなという感覚を確かに得られるので好きなんですけども、グレーとか銀とかで兵器的な面をしたものが多くて、少し冷たい。

じゃあ、車のラリーカーのロジックを利用してデカールペタペタ貼ったり、好きな色に塗ったりするかと思うとそれがなかなか難しい。特にデカかったり、かっこよすぎるとそれは余計にそうだと思う。

ジェット機のカッコよさにはいくつか種類があって、「割と手に取りがちだな」と自分で思うのは「ダサかっこいい」とか「かっこかわいい」みたいなもの。王道的なカッコ良い飛行機を手にする機会はあまりなくて、カッコいいですよという面をしたものは形的に面白くないなと感じたりもする。

 

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ホーネットは垂直尾翼が開いているのが面白くて、そのせいで他の翼の角度に関心が行くデザインが好きなキットだ。名前とその刺々しく伸びた翼のイメージがカッコいいし、グイッと伸びた機首とのバランスもいいと思う。各方向にピンっと張っていて、ビニール袋の裏側から尖ったものを当てて、グーッと押し当てたときの突っ張る感じにすごい近い。当たり前だけどスピードが出そうな感じもある。

 

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それでいてラリーカーに近いようで違う塗装のロジックで機体のフォルムがよく見えるものがキット化されていて「成型色よ。ネイビーであってくれ」と願い箱を開けたらネイビーでした。ありがとうございます。

 

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これは本当にラリーカーやF1と同じだと思う。マシンがかっこよく見えるペイントってやはり彼らの独特のロジックがあって、それぞれに文化がある。そこに肉薄するのはかなり難しい。だから元気な色に飛行機を塗っても、それ自体が「カッコ良すぎる」と全然通用しなくて、何度か失敗してるんだけど、こうして正解の一つを見ると、すごいなって思う。

 

翼の端に目が行くようにイエローを配して、グイッとスリングショットやボウガンを引くような後ろの方へストレッチされたイエローのライン。最低限だけどバランスめっちゃいい。重厚感を失わずにカスタマイズされた塗装。翼の広がりと縦方向への勢いを感じさせる。

 

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そしてアメリカ感たっぷりな「Blue Angels」の書体。

小さく入った、工業的なアメリカを感じさせる「マクドネル・ダグラス」のロゴも良い。これはどっちもあるからどっちもカッコいいんだろうなって思う。

ブルックブラザースライクな「Blue Angels」のロゴ見た目と、ネイビーとイエローの配色。クレスト状のエンブレム。

出来上がったのは何故か王道的なトラディショナルさをもったイケてるマシン。

 

いや待てよ、このネイビーとイエローはジーンズでは。

ダグラスのそれにはレッドウイングのようなタフなアメリカも潜んでいるし。

 

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作ると確実にカッコいいですし、何がカッコいいかもよく分かる素晴らしいキットです。パーツの合いは超精密というわけには行きませんが、そんなことをすっ飛ばすカッコよさがあるキットが今も普通に買えるって良いことです。

 

↓模型はもれなく組み立ててブログにのります。

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L.L.bean トラッカーキャップ

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L.L.Beanはここ何年かじわじわと昔のものを絶妙にアップデートさせたものを出してきていて、これは先日日比谷シャンテのお店に行ったときについ買ったトラッカーキャップなのだけど昨年のものよりも格段に良い。

 

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理由はこの正面についているワッペン。昨年から気にはなってて店にあった中ではこれと、フエルトかなんかの鳥ワッペンのやつか悩んだけど魚モチーフが好きなのでコレにした。ただ、他にも良いものがあったので2、3あってもいいなって思うのはこれはもう服好きというかモノが好きなら仕方がないかなって話。週に2回しか休日はないのにね。トラッカーキャップは今までその名のとおりにトラックの運転手が被っていたものという印象だったが実はトラクターを運転するときに被っていたという話もあるようだ。それで企業が宣伝のために自社のロゴを配したものを配布していたということで、探せばたしかにそういうものも結構ある。

アメ横の玉美なんかもシーズンに合わせてよく置いてあってそれはそれでナイス。


ただ、まぁ忘れちゃならないなって思うのはこれが過去の何かを模しながらもあくまでも現行品であるということと、L.L.beanが自社のロゴをドンッと乗っけてやっている点。確かにリアルなそれをレプリカしたものはやっぱりカッコいいし、他にもアメカジの有名なところのとかも、バッチリ決まってるんだけど「今、向こうの人が本当に休日に被ってるかもしれないそれ」っていうのが良いと思う。値段もお手頃なのがまたね。良い。

 

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お店でパッと見た感じだとメッシュとクロス部分の配色がどれも良かった。

被った感じは伝統的なそれなので深さもあっていい感じ。他にも浅めではあるけどウール素材のキャップも出てたりして色々楽しいL.L.Bean。休みの日は髪をセットせずにボサーっと外に行きたい。でも程よいかっこよさを保ちたい。なんてときに被るには最高です。メッシュだから冬は駄目とか気にしないで(L.L.beanのカタログも特に夏だからというスタイリングはしていなかったですし)とにかくかぶりまくっていつもかぶっている感じを出して行くのはいかがでしょう。

これで3400円+税っていうんだから困るよな。もう一個買うか。

 

www.llbean.co.jp

 

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なし

 

 

続 タミヤのミリタリーミニチュアの完璧な段取りで踊ろう

1/35のティリーはシャーシと、ボディとタイヤがそれぞれ区分けがしっかりなされてるという話を聞いたが、実際に組んでみるとそうでした。

これは塗装するのに優しい作り方で、各セクションごとに組んでから進められるので素晴らしい。タミヤは(他のメーカーでもそうかもしれませんが)言外に、そういうことを仕込んでくるときがどうやらあるようです。

 

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これは1/48のホルヒもそうでした。タイヤとシャーシ、ボディがそれぞれ分けられます。また、そうでありながらもこの奇妙な6輪の見た目をしっかりと保っているから恐れ入るものです。また「一体成型」と呼ぶようなパーツもシャーシ以外はほとんど無いのでパチパチとパーツを切って貼り合わせて、椅子などの細かな塊を作りボディの床面に載せていき……側面を作りダッシュボードを作っていくことになります。

この制作過程で異様な面白さを放つのはパネル状のパーツがまるで事前に計画されていたように、ぴったりとはまっていく過程です。これは何と言ったら良いのか難しいところですが、一度割った板チョコをまた元に合わせようとする感じに近いと思います。何が言いたいのかというと「一度組み上がったものがバラバラにされたものを組み立ててる」という感覚なのです。

これは言葉にすれば、模型全般に言える当たり前の事実です。作り慣れてしまった私もすっかり見逃していました。いつも「俺は今、組み立てている」それだけでしたが、実際は(特にタミヤのものの場合は)「組み上がるであるとわかってるものを組み立てている」のです。

 

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その仕組まれた、幸せな瞬間の1つはボディ側面やボンネット周りであり、小気味よいリズムに気持ちが高揚するのを抑えることはできないでしょう。

それでいながら「タイヤ」「シャーシ」「ボディ」と3つのセクション(それと兵士もありますね)に分けられていることには驚きを隠せません。さらに1/48という小さめのスケールなのですから。一体成型で手順を簡略化するよりも難しいことを行い、それを簡単に消費者にやらせるのですから大したものです。

 

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こうして出来上がるものは、とても堅実な塊で、それは見た目もそうですが作る工程で私たちはそれを真実であると感じます。

 

全席二人のキレのある造形の二人を乗せるか乗せないかは悩みどころではありますが、ハンドルとフロントドアさえ付けなければいつまでも悩むことができます。仮に乗せなかったとしてもカーモデル的な美しさは損ないませんし、乗せると私のように汎用的な後ろの4人を乗せて旅路を生み出すことになるでしょう。

 

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ホルヒを作る上で注目したいのはセクションに分かれた設計と最後まで悩める「余地」があるということです。言い換えると保留し続けられるとも考えられるでしょう。

 

保留する力がある模型に私は過去に何度か遭遇しましたが、プラマックスのホンダF90耕耘機みのりの、マシンのスタンドが「実にわかりやすく」そうでした。通常よりも固めの嵌め合いで容易には取れないようになっており、だからこそ、この見慣れない耕耘機を興味深く配置することに目が慣れる時間を残してくれています。 

 

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模型はニッパーでパーツを切り取る段階から一方通行の道を進むことになりますが、その中に「保留させる」ポイントがあり、そこに気づくとまた少し違った組み立て感覚を得られるという話でした。

 

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