Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

カメラマンが欲しい

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タミヤのミリタリーミニチュア50周年!という記念すべき年から大分過ぎたがカメラマンのプラモデルというのはほとんどいない。どうにかならんもんかと我儘にブルーライトが眩しい海を四角い箱越しに覗いてたらレジンキットのものがあったのでとりあえず手に入れてみたが、これは良い。

 

カメラマンというのは戦場に於いては記録者の1人だろうか。あるいはもっと、もっと!と真剣の上を裸足で渡りながら足裏に体重をかけていくような危うさを持った荒地を心に持ったもののことだろうか。私には分からな……くもない。危険な壊れの予感に頭が異常なスパークを起こし続けた夜を知ってるから。

 

「それにしてもカメラマンというのは」とまでは言わないが私も撮影をする日には太いカーゴパンツを穿いた。靴は、ブーツ。外羽根のブルーチャー、なんだか心をくすぐる響きでいうとギブソンブーツなどと呼ばれる形。まぁ要は、外羽根のブーツなんだけど、名前って色々ある。このブーツはとっておきの靴で綿密に素っ気なさと汎用性を追求したのでめちゃくちゃにカッコいい。黒と茶色の2色遣いはどんな日にも履ける。上は、今くらいの季節だとフリースをボフッと着て、そんな感じ。

 

カメラマンはどこにでもいる。プラモデルを撮る私やあなたもカメラマンだし、今日の格好をottdとInstagramにあげるあの子もそのときはカメラマンだ。カメラマンの面白さはそういう日常と地続きの存在ということだろうか。それでいて一眼レフやコンパクトカメラをいくつか持ちながら撮影してると、同じ写真を撮る人間なのに本気度が随分と違うというわけなのだけども。

 

タミヤの、マスターボックスの、ICMの、とまぁいろいろと言えるんだけど1/35の兵士たちの中にはカメラマンはいないに等しい。きっと、それぞれが意識するマーケットや地域別のジオラマの傾向などでもカメラマンというのはあまり必要ないのだろう。もしかするとジオラマをはじめとした情景を作り出すことそのものが、作り手自身がカメラマンになっているとも言えなくもないが。

 

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実際にカメラマンを手にしてみるとわかるのは、これはどうにも既存の情景作りのノウハウだと馴染まないだろうということだ。明らかに境界線が引かれてる。乗り物と、それを操ったり味方にして動く人間という2つの関係性に直接的に絡まない。しかも、実際に一眼レフで写真を撮ってるとわかるが「こいつをどこに置けば、近過ぎず遠過ぎないのか」という適切な距離感がわからない。「決定的瞬間を撮る立場」でありながら私たちの身近なカメラマンはフィールドをスタンドから撮るだとか、土俵やリングを客席の最前線から撮るとか、明確にあっちとこっちが分かれている。カメラマンを含めた情景を作るのは結構難しい。

 

とはいうものの、私はカメラマンが欲しい。見飽きたあの形の双眼鏡がカメラであれば、といつも思う。

 

今週の物販

 

 

 

大量生産物の良さ。TIMEX WEEK ENDER MLBコラボ

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TIMEXといえば、一本は持っておきたいアメリカンウォッチとまことしやかに話される時計なんだけど、じゃあそれをオーセンティックなものとして愛し続けられるかというと、可愛らしさやチープさが人生の中ではときに難しくなることがある。ただ、特性をもう少し見極めるとしっかりと楽しめると思う。

 

この手のものは往年のギア的な面があり独自の魅力を放つので、コンバースのオールスターであったりVANSのEraであったりとそういう「低価格帯のアメリカもの」の良さが光るのは間違い無いだろう。雑誌だったら「僕らの愛するアメリカもの」なんて原点回帰のような文脈で語られる存在。アメリカのものはこうして考えると大量生産で価格も安いものが、そっけなく普通の存在としてカップヌードルコカ・コーラのように多くの人から愛されるのが面白い。

 

その「低価格帯のアメリカもの」のフレーバーを存分に活かしたのがMLBコラボのシリーズだと思う。これはTIMEXオンラインストアでセール価格だったので手に入れたので、ますますその様子が濃くなるのだけれども、大量生産品がアメリカの国民的スポーツとコラボレーションしたのでそれぞれが持つ大衆性がかけ合わさった存在と言ってよく、互いが互いを引き立て合ってるのが面白い。

 

特に社会人になってみるとわかったのが、ロゴ入り製品をノベルティとして作ったりすると100や200ならまだしも500や1000を最低ロットとして提示されることもあるので、こうしたロゴ入り製品の大量生産性の面白さは存分に感じることができる。

 

この時計は、時計としてはスーパーサブというかファーストチョイスにはなりにくいんだけど、たまにつけてるとめちゃくちゃ気分が良いタイプの時計だと思う。「あれ、今日なんか時計違いますね」と明確に違いを出せる良さがある。3本目の時計として、って感じでこういう時計はあると良いですね。

 

球団は、見た目で決めても良いし、なんか縁があるんだったらそれでも良いかなと。私にとってのミネソタツインズは、トリー・ハンターという外野手の名手がいた球団。

 

時計としてはサイズ感は38mmと言いながらもゴロンとした見た目なので存在感は強め。NATOバンドタイプのナイロンベルトは思ったより厚めでタフな感じ。独特なのはクォーツの針の音が大きい点。

プラモデルを作るときにそばに置いておくと耳で時間の感覚がわかるのでありがたい。

 

今週の物販

 

 

 

 

 

素敵な置物

生活が雑だからか、ポンっといろいろなものを適当なところに置いてしまう。

一時期は物をだいぶ減らして殺風景に暮らしていてそのときは、どこに置こうがどうってことなかったけど今はそうでもない。ただ、ポンっと置いたもの同士が居合わせている姿を見て面白いなと思う時間は悪くない。

 

休みの日の外出は、青いレンズのメガネを掛けて出かけることが多い。空がより青く見えたり、さっぱりとした視界が広がる。それで帰宅するとポンっとメガネを置いてしまう。

 

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ベントレーのプラモのそばに置かれた眼鏡は、思ったよりも相性が良かったり窓から差す光がいい感じだったりしたので少し整えてから写真に撮ってみたけど、なかなか悪くない。ついつい、海外キットって良いなって目で見てしまうし、思わず手にとって見たりタイヤをくるくる手で回したりする。そんなことをしてるとすぐに10分とか20分とか過ぎちゃうし気分が乗って、他の車のプラモデルを引っ張り出したりすると気づいたら遊んでるというか、自然と楽しい時間に溶け込んでいく。

 

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プラモデルは置物だよなと、プレゼントとして送られてきた完成品のプラモデルの品目に「置物」と書かれたものを見た日から確信していて、置物としての役割を存分に発揮してくれると私は嬉しい。役割なんて結局その時々、それぞれで変わるのだけど、なんとなく風景に溶け込んだ置物を、はっきりと一つの塊として認識した瞬間に思わず触ったりしたくなるのが楽しい。それまでは置物は基本的に静かに私達を待っていると思うので。買ったときの記憶とか、作ったときのこととか、そういうのが思い出される程度に作れるとさらに良い。

 

ベントレーは初めての海外モデルで、かっこよすぎて「作れなくてもいいから買う」ということで買って作ったもの。今でも恰好いいし、きっと明日も明後日もかっこいい。

 

私の欲しい物リスト

今週の物販

 

 

ドイツレベル 1/25 コルベット ロードスター 1958 プラモデル 07037

ドイツレベル 1/25 コルベット ロードスター 1958 プラモデル 07037

  • 発売日: 2017/05/28
  • メディア: おもちゃ&ホビー