Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

レジンフィギュアの話、そして今週は短めです

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最近はレジンフィギュアにはまっています。

大抵は原型師の名前が明らかになっているので、作家から物を買うような感覚を覚えられるのがよい。私は縁があってサイトウヒール氏のフィギュアを飾っていますが、手に入りやすいレジンフィギュアの中ではストリートな着こなしがポイント。

風呂に入りながら考えていたのですが、ノーマンロックウェルの絵のような世界観な気がします。どうでしょうか。

 

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作業着っぽいフィギュアの魅力は大抵の模型と相性がいいところ。

プラモデルとちょっと違う作家性の高い感じの面白さは部屋に置くととてもよくわかる。なぜか馴染むし程よく主張します。

 

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ポーズとキャラクター付けに秘密があるっぽくて戦車や飛行機についてくるフィギュアとバッチリカラフル塗り分け済みな完成品のフィギュアの間の存在なのかなと思います。

 

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別に塗らなくても切って貼っておいておけば、いずれ塗りたくなったりするとも思う。

 

今週の物販

 

 

 

 

林浩己氏が手がけるフィギュアはややセクシーっすね。 

俺は白いシャツは着ない

アイアンシェフって一瞬で終わった料理の鉄人のリニューアル版の番組で、鉄人すらも舌を巻く天才的な才能を持つがズボラな生活で料理人としては大したものだが料理店の経営者としてはマズい。みたいなチャレンジャーが出てきたことがあって、彼がチェックのシャツを着ていたことをよく覚えている。

 

彼がチェックのシャツを着る理由は彼のパーソナリティと密接に関係があるような気がして、なんとも言えない気持ちにもなった。チェックのシャツは真っ白な厨房着よりも汚れが目立たない。天才が故に、今風に言うのであれば料理にステータスを全振りしたが故に、厨房着の白さが持つ清潔感よりもチェックのシャツが持つ機能性を自然と取ったのだと思う。そこで白を選ぶ心があれば、いや無いからこその野良の天才としての鋭さやキケンさが際立ち、誰もが描く成功を手にすることの出来なかったドラマが際立つ。

 

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私も彼と同じように白いシャツを手にすることはほとんど無い。

白の持つ清潔感やニュートラルさを自分のものにできたらと何度も買ったが最終的には会社で支給された白いシャツをその日に捨てるくらいになってしまった。とにかく、着ないのだ。着ると、なんだか白の綺麗さと人間が出す汗だとかそういうものの汚さのコントラストがキツい感じがする。白いシャツは何度か着ると、洗濯していても襟がわずかに汚れる。一度汚れが気になるとどんなに漂白しても汚れが残ってるような気がして、嫌になる。白さが自分のせいでダメになった気がしてしまう。そして、着なくなる。だから、着る前に捨ててしまった。

 

反対に色や柄の入ったシャツは買ったときからしばらく着てると色落ちが多少あるから見た目が落ち着いてくる。それが自分のものになった感じで好きだ。汚してしまったという感覚もほとんど無いし、選ぶことや着ることに愛おしさすら覚える。なので、自然と色とりどりのシャツが揃いいつまでも「これで完成」と言えないワードローブが保たれている。もし、白いシャツが好きなら白いシャツだけを揃えて早々に完成しただろうか。

 

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プラモデルの愛おしさとは全く逆だ。

色柄の入ったシャツのごとく色をつけていくことは楽しいときもあるが、ときおりプラスチックを汚している感覚に襲われる。素材を否定している感じがする。どんなにうまくなっても、何度仕上げてもそう思う。そして、そういった感覚に襲われるたびにプラモデルを色を塗らずに完成させる。そのときのプラスチックの塊の美しさは、清潔でニュートラルだ。

 

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大人になってから作るプラモデルは、なんだかそういう今までの人生の美意識が流れ込む感覚がある。ついつい「アトリエのような部屋があって」とか、その反対で「リビングでお手軽に」とかなんかそういう”ありふれたライフにまつわるアレコレ”を想像してしまうけど、実際に作り出すとどうにもそうはならない感じが面白くて、今も夢中なのだと思う。

 

今週の物販

 

 

 

 

 

 

 

今週のお題「おうち時間2021」

 

麗しの塗装体験。俺はミリタリーキューティーズをべた褒めする

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プラマックス ミニマムファクトリー ミリタリーキューティーズってほんと傑作だと思っていて、メイクアップエディションっていう成型色が肌色一色のキットはさらにすごいと思う。というのも非常に塗装がしやすい。まさかキットやモチーフによって塗装のしやすい/しにくいがあっただなんて気づかなかった。

 

このキットの塗装における特徴はモールドが深いことで、それが許されていることかもしれない。イラストを立体化したもなので、そういうデフォルメがうまく消化されてキットの仕掛けとして仕舞ってある。薄めた塗料で塗ることで塗料が奥に溜まったり、出っ張っているところは薄く透けることで仕掛けの存在に目が気づいて「ああ、なるほど」と気分が良くなる。塗装がキットの立体感をより克明にするし、服の場合はその濃淡がとても綺麗に作用する。肌色のプラスチックが布になっていく瞬間が楽しい。

 

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これ、もし成型色が肌色じゃなくてグレーだったらこうはならなかったと思う。肌色の透け方が綺麗なのだ。本当に、水彩絵の具で塗ったみたいな面白さがある。

この綺麗さを味わうためにいろいろな人に作って欲しいなととても思う。

 

色は好きに塗って良いということだが、好きに塗ると自分のセンスの中のものが生まれる。それも良いけど、オススメは身の回りのものに合わせて塗るということだ。

 

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私は、イギリス郵便局仕様のミニカーの色に合わせて赤い服の女の子を塗ったのだけど、次はカメラのレンズを見ながら塗ろうと思っている。というのも次の予定はドイツの女の子だからだ。ドイツのものといったらライカのカメラが浮かんだ。

家にライカはないけど、次に作る女の子の服装を頭に浮かべながら、そこらへんに転がっているレンズを見ているといろいろなリングが布地の重なりに見えてくる。レンズはレンズで真っ黒い筒状のものかと思ったら銀の部分もあり白もある。キットを作ろうと考えていたら、レンズのことを見直すきっかけになって、なんだか楽しい気分になれた。

 

塗る余地があるというか、塗ることで仕掛けが機能するみたいな面白いキットなので、おすすめです。架空なのもだったり、男からすると女の子だったりするのも、良いのかもしれない。とりあえず、作りましょう。

 

今週の物販