Re:11colors

毎週水曜更新(2021年9月現在)。革靴、模型、日常。

俺は白いシャツは着ない

アイアンシェフって一瞬で終わった料理の鉄人のリニューアル版の番組で、鉄人すらも舌を巻く天才的な才能を持つがズボラな生活で料理人としては大したものだが料理店の経営者としてはマズい。みたいなチャレンジャーが出てきたことがあって、彼がチェックのシャツを着ていたことをよく覚えている。

 

彼がチェックのシャツを着る理由は彼のパーソナリティと密接に関係があるような気がして、なんとも言えない気持ちにもなった。チェックのシャツは真っ白な厨房着よりも汚れが目立たない。天才が故に、今風に言うのであれば料理にステータスを全振りしたが故に、厨房着の白さが持つ清潔感よりもチェックのシャツが持つ機能性を自然と取ったのだと思う。そこで白を選ぶ心があれば、いや無いからこその野良の天才としての鋭さやキケンさが際立ち、誰もが描く成功を手にすることの出来なかったドラマが際立つ。

 

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私も彼と同じように白いシャツを手にすることはほとんど無い。

白の持つ清潔感やニュートラルさを自分のものにできたらと何度も買ったが最終的には会社で支給された白いシャツをその日に捨てるくらいになってしまった。とにかく、着ないのだ。着ると、なんだか白の綺麗さと人間が出す汗だとかそういうものの汚さのコントラストがキツい感じがする。白いシャツは何度か着ると、洗濯していても襟がわずかに汚れる。一度汚れが気になるとどんなに漂白しても汚れが残ってるような気がして、嫌になる。白さが自分のせいでダメになった気がしてしまう。そして、着なくなる。だから、着る前に捨ててしまった。

 

反対に色や柄の入ったシャツは買ったときからしばらく着てると色落ちが多少あるから見た目が落ち着いてくる。それが自分のものになった感じで好きだ。汚してしまったという感覚もほとんど無いし、選ぶことや着ることに愛おしさすら覚える。なので、自然と色とりどりのシャツが揃いいつまでも「これで完成」と言えないワードローブが保たれている。もし、白いシャツが好きなら白いシャツだけを揃えて早々に完成しただろうか。

 

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プラモデルの愛おしさとは全く逆だ。

色柄の入ったシャツのごとく色をつけていくことは楽しいときもあるが、ときおりプラスチックを汚している感覚に襲われる。素材を否定している感じがする。どんなにうまくなっても、何度仕上げてもそう思う。そして、そういった感覚に襲われるたびにプラモデルを色を塗らずに完成させる。そのときのプラスチックの塊の美しさは、清潔でニュートラルだ。

 

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大人になってから作るプラモデルは、なんだかそういう今までの人生の美意識が流れ込む感覚がある。ついつい「アトリエのような部屋があって」とか、その反対で「リビングでお手軽に」とかなんかそういう”ありふれたライフにまつわるアレコレ”を想像してしまうけど、実際に作り出すとどうにもそうはならない感じが面白くて、今も夢中なのだと思う。

 

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