Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

褒められないかもしれない模型たち

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「あなたって、つくってる最中もプラモデルを褒めてるのね」

最近、電話越しに話しながらプラモデルをつくることがある。そのときに私は「色がいい」とか「かわいい」とか「今までで一番いい」と自分がつくるプラモデルに賞賛を送っていたら、そういう風に言われた。

私がいつも自然と心がけていることでもあったので割としっかり目に「今作っているプラモデルはきっと来週や再来週にはそれよりうまいプラモデルが出来上がるから、今褒めないと一生褒めない可能性がある」という話をした。

 

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プラモデルだけにかかわらず物事は数をこなすと上手くなるし、ある意味では上達が避けられない分野だと思う。

だから、つくっているプラモデルを純度100%で褒めることができるのは、つくっている最中か、そのプラモデルが最新の完成品のときだと思ってる。もちろん、長く置いておくことで愛着が湧いて別の観点で褒めることができる日も来るけど。

「塗装がうまくいった」「難しい組み立てがよくできた」「曲面にデカールがうまく追従させることができた」みたいなことは、つくっている最中に進行形で起きることでそのときどきに「うまくできた」と褒めることができれば、楽しいし経験として刻まれる。それに、そのときに褒めないと忘れることも多くある。

 

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私も随分とプラモデルを作るようになって、完成品もだいぶマシになった。

 

なので、作り始めた頃のような「かんたんな褒め所」は見逃していることも多いと思うが、やることが増えれば増えればそれはそれで褒めどころが増えてくるので、やっぱり褒めている。写真のドイツ憲兵は、ほんの数時間で塗装を終えて翌朝メガネをつくって掛けさせた。早さと、プラスワンの工作が光る仕上がりだと思う。

いつもと違う暗めの色合いを色の差がつくように意識しながら塗り分けていけば「前よりも色の判別ができるようになっているな」と喜ぶし、ハイライトを入れれば「全体が暗いからハイライトが映えるな」と、そのときどきの楽しさを見つけては嬉しくなる。

 

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「尊敬しているあの人と、同じではないけどなんとか試合が成り立つ程度にはうまくなったんじゃない?」

 

このコントラストのつけ方はまたどこかで役に立つだろう。

 

今週の物販

 

 

 

 

 

 

 

塗装日記3/12 中間色とドラマチックな影 ICM1/35 モロッコ グミエライフルズ

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ICMの1/35 モロッコグミエライフルズを塗装しました。このキットの特徴は、服装に尽きると思う。どこかのブランドがそのままそっくり復刻させそうな、フードのついた緩めのコートが面白く、これだけで既に買う価値がある。加えてターバンのようなものを頭にかぶっていたりと、今までドイツだアメリカだと戦争の主要国の兵士を作っていた私としては非常に新鮮な見た目だ。

 

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塗装方法はガツンと影が入るような仕上がりを目指して、水色の少し明度を落としたような色を塗る。影色の選択は全体の仕上がりに影響を及ぼす大きなポイントだが「影」だからといって暗い色にしすぎるとどんよりしがち。メインとなる色に近い色を影色にすると綺麗にまとまるように思えるが、私はそのときの気分で決めてしまう。というのも、まだまだ塗装経験が浅いため、仕上がりの幅を知りたいからだ。

 

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今回、難しく感じたのは全体を割と甘い色でまとめようとしたところで、彩度も明度もあまり高くないカラーパレットをうろちょろする形で色を選ぶのが大変だった。こういう配色にすると、互いの色の差が少ないので全体にメリハリが生まれにくく、ぼんやりとした仕上がりになってしまう。

 

しかし、このモロッコグミエライフルズに関していえば、服装が緩いラインを描いているのでメリハリのきいた配色でパキッとさせてしまうと、造形の良さがなくなりそうだった。なので、いわばグレイッシュな色味ともいえる色たちで全体をまとめていく意味があるように感じたし、その助けとして、影色として設定した青色が功を奏したと思う。

 

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出来上がりは、今まで作ったフィギュアの中でも屈指の甘い仕上がりになった。その分、影の青色がドラマチックに作用しているように思う。4人をそれぞれ眺めていると服装が微妙に異なっていて、かなり緩い雰囲気を出している。なので、先ほど書いた通りで、あまり色の差が出過ぎないまとめ方は全体に統一感が出て良かった。

 

また、ICMのフィギュア独特のカチッとしていながらも丸みのある造形と、グミエライフルズの服装や装備の「かけ合わさった良さ」と悪くないマッチングなのではないか。今回はかなり思い切って「ここは影!」という風に決めた部分は青色を意識的に残した。もし、影色を茶色にしていたら、もっとリアルにまとまっていたと思う。

 

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ただ、そうすると今度は使う色がまとまりすぎてしまって、地味になりそうな気がする。私は割と、派手な配色が好きなので、今のはこういう風にメインカラーとかけ離れた色での仕上がりを見るというのが楽しい。

 

今週の物販

 

 

 

 

 

あなたの全てのプラモデルを一冊のノートに収める楽しみ

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プラモデル趣味は「作る」「集める」「調べる」が主な楽しみ方だと思いますが、今日は「管理する」という楽しみの話をします。

 

「コレクションに紐づいた目録をつくろう」という、あるブログの記事を読んで、私は目録の必要性を感じました。目録は、コレクションを網羅したリストのようなものだと思ってもらって問題ないです。さらに記事には「数が少ないときこそ目録作成に絶好のタイミング」だと書いているので、作る必要性を感じるどころか、ただちに実行したいという気持ちになりました。私は「所蔵コード」「キット名」「ジャンル」「買った場所」「金額」「完成した日」という項目で管理をしています。

 

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所蔵コードは「2022年に買った1個目のタミヤのプラモデル」であれば「22-TAM01」と記載するようなルールで割り振っていて、残りの項目は名前から察することができるかと思います。

 

「購入した日」を入れてないのは、この項目があると買ってすぐに記載しないと忘れてしまうからです。そうなると目録作りは一気にめんどうな作業になりますし、空欄が目立つようだと役割を果たしていないような感じがします。10月に持っている全ての未組立てのプラモデルを記入したのが目録づくりの始まりで、5ヶ月ほどたった現在も順調に続いています。作るペースをわずかに上回るペースでプラモデルを購入し続けていて「趣味の多くは熱があるうちは無限に物が増え続ける」というのを実感しています。

 

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こういう、一見データ計測のように思えるものは「買ったプラモデルの傾向の分析」や「買ってから完成するまでの期間の計測」などの自己分析的な楽しみが頭の中にチラつきます。

 

ただ、まずはそんなことは気にせずに淡々とコレクションをノートに収めるような気持ちで自身で決めた項目を埋め続ける目録作成に徹すると、これが意外と楽しいのです。パソコンでつくるかノートでつくるかは悩みどころですが、ノートの持つ一覧性の高さが私は好きです。それと「1ページの紙の大きさ」という制限が管理項目を自然と少なくしてくれるので継続しやすいです。

 

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膨大なコレクションを目録によって管理することで生まれるのは、プラモデルを作っていない時間にもプラモデルに触れているという精神的な豊かさ。そして、無数の箱が一冊のノートに収まっているという感覚は目録を作成してみないとわからない楽しみです。

 

目録をつくるタイミングは「つくろう」と思ったその日が一番プラモデルの数が少ない感じがするので「今」な気がします。

 

 

下記の記事を見て目録をつくることにしました

miha.hateblo.jp

 

今週の物販