昨日、無事に入稿完了。印刷会社を変えたから一抹の不安あり。
そんな感じですが今回は靴の絵も前作より魅力的になった様子があります。
また、大きく取り扱えるように誌面構成を見開き2ページ左右で「文章/絵」と分ける形ではなく、混ざり合う形にしたので迫力や紙の上での奥行きや前に出ている様子--。つまり、立体感を出せる様にしました。
その辺の話はのちのち、あるいは手元に実物が届いて安心できたら行うとして、今回は表紙です。
今まで刊行した紳士靴シリーズは基本的には静かな装丁、加えて整然とした様子を良しとする形で行ってきました。
紳士靴四十七話
これにはいくつか理由と甘えがあり、それは「紳士靴」の「紳士」の整然とした様子から男は黙って……といった具合のものを作ることがコンセプトとして正しいという理由や、単純に絵を描くことが面倒であった、描くことで却って手に取っていただく機会を損失してしまうのではないかという不安からのコンセプトへの甘えでした。
紳士靴九話
しかし、絵の地位を主題ほどではなくともサブとして機能する程度に上げてみると今度はそれらの絵を並べれば良い世界観のものが出来上がることは明らかでした。
「紳士靴九話」の表紙はそういう意味では素直な装丁で静かながらもよく伝わる、標本的なデザインともいえるでしょう。それらの生態がページをめくると書いてあると思うとワクワクされる方もいるのではないでしょうか。
さて、今作の紳士靴十八話にいよいよ触れるときがきました。
今回は動的なレイアウトを構成するためにイラストとテキストがよく交わったものであることは最初にお伝え済みですが、デザインへ比重が傾いているので表紙も同様にデザインチックなものにしてもいいのではと考えたのです。
こちらが紳士靴十八話の表紙です。
一見なんだかわかりませんね。それがいいと思います。
今回は背、裏表紙も含めて一枚の絵にしましたので全体を見てみましょう。
靴のシルエットが二つ混じり合う形でそれぞれのストライプはタイトルになぞらえて十八本ずつ。いわゆる装丁のようなことに積極的に取り組みましたがそれに関しては、今回は図鑑の様な一足一足のレビューというよりはより文学寄りにしたので、属性として本としてのオーラをより強くまとわせたいと思ったからです。
また、改めて自分と靴との様子を注意深く観察してみると定番のそれらを履いて安心したり一つのゲームソフトをプレイする様に一通りを味わったらクリアということでもないことに気づきました。
色々なデザインの靴を履いて身なりを自分らしく飾り、おしゃれをすることは楽しくそれは当面続くことだろうと感じたので今作の表紙もそういった凝った様子がある方が良いのではと感じ、デザインしたのです。
デザインに関しては元ネタもあり、パロディでありオマージュな様子のあるものですが、それに気付かれる方がいたらそれはそれで楽しいと思っています。
実物が届いてほっとするまで、まだまだ時間がありますが紳士靴十八話。
第二十三回文学フリマ東京
2016/11/23(水) 11:00〜17:00
会場 東京流通センター 第二展示場
にて販売予定でございますのでどうぞお見知りおきをよろしくお願いします。