二回目の 反省の 時間です。
一回目はこちら
それぞれの作品の特徴
●それぞれの作品の特徴を教えて下さい。
・紳士靴四十七話。既刊です。オークションに出品される靴に関しての説明文をまとめたもので靴の見所を美しく語る「靴を魅力的に記す」三十七足と掌編形式の説明文を靴のイラスト付きで語る「靴を物語で語る」の二部構成。突然反省が始まったり執筆に関するルールなどが記載してあるのも特徴。文学フリマガイドブック推薦作。
・紳士靴九話。既刊です。私が持っている靴のイラストとそれに関するレビューをエッセイ形式でまとめたもので「既製靴」と「注文靴」で分かれています。既刊と比べて絵の分量が多く、表紙も内容がわかりやすくデザインされています。
・紳士靴九話ポストカード。せっかくイラストが多く出来たのでポストカードにしました。
・紳士靴十八話。新刊です。私が持っている靴をただ紹介するだけでなくそれを通じて得た気づきや、日常、例えばテレビを見たら誰々がどんな靴を履いていたとかそういう話などの「靴と生活」とでも言ったような本を作りました。レイアウトは動的で5段組のうち4つを上下に2段に分け、空いたスペースには解説を載せています。表紙もそうですが、全体的に「好きなように」作った一冊です。
製作
●意識したことはなんですか?
一言で言えば少し、気取った一冊を作りたかったです。
ページ自体は動的なレイアウトで複雑な、でも読みやすい構成で、手書きの文や小さな文字によって書かれた注釈など要素が多い「豊かな誌面」を 目指しました。
表紙は抽象的なそれでも魅力的なものを作りました。
●大変だったことはなんですか?
タイトルと絵。絵に関してはポップさを匂わせるには欠かせない要素ですが、決して上手いものではないので苦労しました。文章と絵のフレーバーが揃っているか、左右の車輪が等しい大きさになっているかを確認する作業は大変でしたが相乗効果が生まれたので今後絵を描き続けるには十分な理由になると思います。
タイトルはペーパーやあとがきに書きましたが「物語にセットさせる」という考え方を持ち込んでうまくつけることができたと思います。
●完成したものはどうでしたか?
自分が作るものとしてはかなりボリュームのあるものになりました。
内容に関しても楽しいものができたと思います。ただの靴のレビューではなく、靴と私がくっついているようなものが幾つかあり、それは自分でも興味深いものができたと思います。
レイアウトは野心的でイラストを迷いなく切っている様子は実際に「普通はこれやらないよね」と言われることもありました。私は絵を描くことよりも、文章を書くことよりも良い誌面を作ることが先に立つのでそうなったのではと考えています。
ただ、これらが全てにおいて良い結果となったかは疑問です(後日後述)。
ブース設営
●意識したことはなんですか?
シンプルに紳士感を全面に出すことと、スピード感のある設営&撤収。
●上手く機能したことはなんですか?
靴をピカピカに仕上げるパフォーマンス。多くの人に見ていただけたことは何より、本部の記録員の方に写真を撮っていただけたのはうれしかったです。
POPも前回の反省をもとに視認性をあげましたので読んでもらえる方も増えました。
もし、何かを足すのであれば「立ち読みOKだよ!」といった表示でしょうか。
●機能しなかったものはなんですか?
作品点数が増えてきたのですが「紳士靴○○話」というタイトルは一部の人には意味が正しく伝わらない、もっと正確に言うと意味を強く求められてしまうことに気がつきました。時に「紳士靴四十七話」というタイトルはまるで47巻目の本のように機能してしまうのです。
搬入・搬出用の箱をもっといいものにしたいです。
●ブース設営という意味だと棚を使った三次元的なレイアウトが見られますが導入するつもりはありますか?
こちらに関しては今後導入をする必要がある気がします(作品点数が増えたため)。
ただ、ディスプレイそのものを変えて問題を解決するやり方もあるように思えます。
販売
●意識したことはなんですか?
販売にとにかく注力しました。「私がいて、本がある」という様子がよく映ればなと思います。挨拶をすることや立っていることなどは悪くないような気もします。話しかける、二週目の来店の方を認識するなどのことは当たり前にやっていますが怠ると売上げ面でしんどい思いをしそうです。
また、スーツに関してはよりクラシックなものを着ました。スリーピースのスーツは去年の秋の文学フリマのときといい、どういうわけか評判がいい様子です。次はダブルを着てみたいところです。
●上手く行ったことはなんですか?
「世界観買い」を強く意識してのスリーピースだったのですが、これが良かったようです。また、不思議なもので今まで買ってくれていた方の顔をよく覚えているものでリピーターの方に買っていただけたのは嬉しかったです。「靴とスーツの人」として定着していければ。
●上手く行かなかったことはなんですか?
どう取るかは難しいですが、今回上手くいかなかったこととしては「紳士靴十八話のデザイン」が挙げられるのは間違いないでしょう。何より際立っていたのは九話で、内容上説明をする必要がある四十七話はコンセプトの珍しさがよく、十八話は新刊という価値以外は少なくとも会場内ではあまりなかったような気がします。
●見本誌提出はどうでしたか?
見本誌は出した方が良いですね。ずっと出してますけども。
●事前の宣伝はどうでしたか?
Twitter、ブログで行いましたが今回はわりと機能していた?ようなそうでもないような。いまいちわからないですがそれでも「特に反応をしなくても楽しんでいる人はいるのだから続けなさい」と先輩に言われているのでやめるつもりはありません。
●実際何部くらい売れましたか?
まだしっかり数えていないですがトータルで60部は出ているのではないでしょうか。
前回の方がかなり忙しかったような気がします。今回に関しては複数のセット買いが多くありました(これと十八話の表紙を上手くいかなかったと話すことは関係がありますね)ので接客自体は割と楽で楽しめました。
その他
・本当に「エッセイ」ですか??
評論がよくわからないのでエッセイとしていましたが「評論ですね」と言われたので評論なのでは思い始めました。評論については調べます。
総評としては、数字で見ればまぁまぁ。もしかすると60部程度をうろちょろするのが限界なのかなとか考えたりしています。「手に取ってもらえるまで」がゴールなのかそれとも「自分が良いと思ったものを作ってみる」ことがゴールなのかはもう一度考えておく必要があります。
また、嬉しいことに多くのリピーターの方に来ていただいたり「応援しています」と言われたり「楽しみにしています」と励ましていただいたりと楽しいことが多かったのでそちらに関してはかなり嬉しく、前回と明らかに様子が違うところでした。
私自身、靴や洋服を買う時に対面で買う事が楽しいなと思う人間なので冗談半分で「人柄で売る」なんて何人かの方に言いましたが「私がいて、本がある」そんな状況が一番いいと思われるようになっていきたいと思います。