サイドゴアブーツの魅力はもしかすると男性よりも女性の方がよく知っているかもしれない。と思うくらいここ最近は男性よりも女性が履いているシーンをよく見る。
比較的廉価なものが多く出回っているのだろうか。見かけるものはどれもかわいらしいので、いいなと思う。
ルックスへの好感もそうだが、履いている人はわかる通りにとにかく脱ぎ履きがしやすいのが魅力だ。ズボッと履いてズボッと脱ぐ。「馴染むまでは……」などという障壁も安易に乗り越えてしまう見た目、機能性の高さ。そしてつい履いてしまうようになる。
個人的に生々しい木型を設計してくれているブランドのものが好きで、文化の差なのか欧州の伝統的なメーカーにそういうものが多く見られる。
J.M.WESTONのサイドゴアブーツはその中でも甲の部分の押さえ込みと足首まで伸びる筒部分への急な傾斜がよりわかりやすい。
履いたときの「キレイに見える良さ」は木型の美しさと作りの綺麗さ、素材の良さによるものだと思うが、それよりも不思議に感じるのは昔から持っていたかのような感覚を私に与えてきたところだ。そしてそれと同時に色々な遠回りを是正させられるような感覚に襲われた。「最初からこれを買っておけばよかったのだ」と。
履いていて「やっぱ脱ぎ履きが楽だからコレ履いちゃうな」と思うし、何に合わせてもとりあえず形になる幅の広さにも驚く。「デニムにも合いますよ」とは良く販売員にいわれることが多いと思うが「サイドゴアにも合いますよ」というフレーズがあっても良いのではないかと考えてニヤリと笑ってしまうくらいの守備範囲の広さだ。
どことなく快活さを感じ、どこか積極的な強さを感じる。
「軽快に街を歩くイメージ」は靴を買うときに最も重視するポイントにしているがこれは正にそれ。
加えて知的さがあるのが一番良い。
手持ちの中には知的さと脱ぎ履きの良さが両立してるものは無かった。
本屋に行ったり喫茶店に行ったりしてそうで、いつでも鞄の中に本がある感じ。
黒も欲しいな。なんて思う。