「春夏はどんな生地が面白いのか」
とお店の方に聞いたところ
「今年はコードレーンが良い。あとはループヤーンですね」
と返事が来た。
コードレーンは昨夏、安いものを買ってみたものの爽やかさがキツく、結局着なかった記憶があるのでとりあえず保留。ループヤーンてなんですかということで話を聞くと「ブークレ」という方が一般的だという。その日は時間がなかったので単語だけ聞いてあとは調べた。「ああ、これね」とわかった数日後「ブークレっすね」とそっちでお願いすることにしたがすぐに「ブークレって高いんですよ。安いのだとらしくないし」と返されて迷ったが、面白いのがあればという形で逃げ腰のまま春夏のジャケットのオーダーのレールに私は乗っかった。「面白いのがないはずはないんだけどなぁ」
そしてまた何日買ったって連絡が来たので終業後、お店に立ち寄ると面白いのがあった。当たり前だ。
そのまま生地に魅了されてオーダーすることに。
ただしかし、わからないことが多い。とりあえずクラシコのシングルで。
ここまでは良い。ボタンと裏地がよくわからない。見えてこない。ので話をよく聞き、履いている靴などの話をしてまた話を聞く。そしてボタンは黒蝶貝、生地は茶色のドットにした。今思えば「この生地だからこれになるんだ」と思うし何を悩んだのか不明である。
先日取りに行って、着ていたけど季節感がよく出る。春!
夏はどうだろうな。少し違うか。春感に「とりあえずこれでしょう」と濃い水色のシャンブレーシャツを着たけど完全に置いてかれていて驚いた。
これはなんということだろうか。では白シャツに濃紺のデニムだろうか、そんなつまらないもので120点をとりあえず80点にまとめるのは愚行な気もする。そうかシャンブレーシャツも愚行であったのか。
もともとこれを着るときに思っていたのは黄色いシャツだったのでやはりそうか。ないから買うか。意外と赤もいける。
「思ってたよりパンチが効いてる」
とお店の人もびっくりしていたジャケット。
会社で終業後「これですよね!オーダーしたってやつ」なんて言われて、そうなんだよ派手なんだよこれパンチ効いてるんだよでも……着ると似合うんだなこれが。
なんて言いながらジャケットを羽織ると「おおお!」と声が上がる。
今日も着ていたけど取引先の人が「いいよなーこれ、チラッと見かけたんだよ実は。そのときいいなって思ったんだよ」と一言。
「文学フリマで着る」という題目の下、買ったものだが春のおしゃれも楽しめる時期なので、結果的にとても良い買い物をした。