Re:11colors

毎週水曜更新(2021年9月現在)。革靴、模型、日常。

小さな繊細な時間。私は精密なタミヤのここを調整する。

 

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3Dスキャンのタミヤの兵士たち。

美しきパーツ分割と、パリッパリっとパーツが合うべきところに合う感じはどこかメカニカルな感じすら漂う。

気持ちよく組み立てていくが、双眼鏡を持った兵士の双眼鏡の角度だけは人の手で合わせてやる必要がある。

というか、一見何もしなくても合うようになっている他のパーツたちも貼った後に角度を微調整をしてあげるともっとピシッと決まってくる。

 

模型を作っているときの最も好きな時間の一つにこういった、微調整の時間がある。写真に撮ることができず、無意識の時間。模型を手にとってくるくる回して確認、手を伸ばして目から離して確認。何回も何回もやる、気づかないうちに身についた動作だ。

この作業の面白いところは視力とは違う目の良さが必要とされるところだと思う。

 

また、やっているとポイントが見えてくる。この兵士は手に持った双眼鏡の角度が目に対してどういう角度ならかっこいいのか?というのがポイント。合わせたつもりで写真に撮ったが微妙にずれていたので、改めて直して水平にした。目というよりは顔の傾きなのかな。ただ、ここを合わせるとバチっと出来が良くなるのは間違いない。

 

服を着るときに最後にボタンを閉めたり、家具だとか何かを組み立てるときもネジを閉めたりと小さな作業がラストにあると思うのだけど「完成」と、最後に向かう作業は模型の中ではこの角度やパーツの位置の調整だと思う。「ここが合っているとかっこいい!」というポイントを作っている間に探して、それを実行するというか。

 

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この辺が模型作りのちょっとおかしいところで塗装だとか組み立ての後の作業が入ると、合わせる時間は隠れてしまう。あまりにも地味でトランスフォームがないし、やっぱり塗り終わった後だとかウェザリングの後だとかはこっちの達成感の方が強いので「やった!完成だー!」と作業の終了とともにプラモ作成も終わってしまう。実際に双眼鏡の角度なんかはどうでもいいような気もするが、これだけ小さくても精密な姿を見せる兵士の存在感をよりはっきりとさせるには必要だと思う。

というかタミヤなどの高品質のキットの場合は、微調整をする必要がないと思われるが、実際は目で見た雰囲気の良さというのを指で地味に実現させていく作業は結構大事な感じがする。

 

本当にセンシティブな時間で他の人がどこまでそれをやっているのかがわからない時間。私はこの時間が好きだけど、この時間を知らない人もいるのかもしれない。