Re:11colors

毎週水曜更新(2021年9月現在)。革靴、模型、日常。

正解はないけど答えはある「フィギュア美女メイク」を読んで

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疲れているときは深夜にMCバトルをダラダラと見て、さらに疲れたら寝る。みたいなことをしていてこのままズルズルと沈み込んでいく。そこでAuthorityって20代前半のラッパーが言うんですよね。「上手いとかっこいいは分けておきたい」って。こんなことをバトルという流れの中でポロっというわけです。自分が彼と同じ頃にまったくそんなことは考えていなかった。ただ、確かにそうだというのはこの歳になるとわかります。左右でステッチがちぐはぐなRussell Moccasin、洗えば洗うほど襟ぐりが伸びていくかつてのGood Wearなどなどアメリカのものは露骨にそうですが、イタリアのものもデフォルメのバランスで見せるという点ではそう言う感じがします。Bonoraとかね。

 

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というわけでフィギュア美女メイク”女性フィギュアをオレ好みに塗り上げろ!”の面白いところは、上手いとかっこいい(かわいい)を多彩なペインターによって感じることではないでしょうか。当然と言えば当然ですが、みんな上手いし、かっこいい。手順を見てると、もちろん本の特性上そうなる部分があるのですが各々が違う方法で塗装をして「これが私の答えです」というわけで、完成写真が見られる。目の描き方ですら全然違うし、似たようなやり方をするにしても理由が違ったりすることもある。

 

それに使う道具も違うし仕上げ方も違うので、とにかく「違い」が面白い。でも仕上がりはどれもかっこいい。

 

全員上手いけど、かっこよさが異なるのがすごいですね。彼らはラッパーではないのでバトルはしませんが個性豊かなスタイルで並び立つ姿はとても良いなと思います。

 

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女性フィギュアの世界の面白いところは、おそらくですがまだ主流となるスタイルが確立されていない点ではないでしょうか。だからこそ専用のアイテムというのはそこまでなく、得たい表現のために何を使うのかに個人の嗜好が見えて、何を作ってきたのかによる各々の引き出しの違いがあって、そこにそれぞれの上手さとかっこよさがあるように感じました。それに、人によっては”肝心の”と言いたくなるような筆などの道具の話もほとんどないのが良い。塗料の話と描き方の話に軸を置いているので「ラップの仕方は聴かせてやるけど、何を言うかどう言うかはお前次第なんだぜ」と言うわけでまさに副題の「女性フィギュアをオレ好みに塗り上げろ!」というテーマに沿った書籍になっていると思います。