誰かがXだかBlueSkyで「タイムラインが並ぶようなSNSは、面白いことがないかなと延々とスクロールしたり更新したりしてしまう。これはスロットマシンとあまり変わらないのではないか」という話をしていてその例えの面白さと、それをSNSで言ってのける皮肉な感じが印象的でいまだに忘れられない。おすすめ機能が実装されてからはランダム性も高まり、ユーザーに刺激を与えるという点では余計にそうだろう。
フィジェット、と呼ばれるものがある。フィジェットはわからないが、ハンドスピナーはわかるという人は結構いるような気がする。私も最初はそうだった。要は触っていると心地よい音や触り心地が得られる、さらに見た目がいい感じに動くと面白い……というものの総称で、ハンドスピナーもその中の一員だ。調べてみると、カキンカキンと音を立てて動かせる金属の塊や、キャタピラをカチカチ回せるようなもの、それ以外にもかなり凝った造形の構造物でハンドスピナーのように回る部分もあれば小気味よくスライドを動かすと銃のリロード音みたいな音を鳴らすものがあったりしてだいぶ楽しい。
友人が「これらのものはフィジェットというらしい」とキーボードをガチャガチャ押せるようなおもちゃを見せてくれたり、SNSで「このフィジェットを触ってしまう」と相互フォローの方が話していて、私も関心を持ったのだ。見た目が好みのもので、動きも心地よさそう、なおかつどこかのあからさまなコピー品ではないものを探すのに随分と時間かかったが、一応注文は完了して到着を待つばかりである。
楽しそうに触る様を見て、欲しいなと思ったのは確かにそう。ただし購入に至るきっかけは別にあった。スマートフォンがあまりにもフィジェットとして優れているということだ。iPhoneを触ってしまうのは、なんとなく持ちやすかったり、触っていると返ってくるタッチした時の感覚が優れているからだ。それに、アプリケーションの切り替えもめまぐるしくそして鮮やかに変わって行くので、そもそもそれが脳にいい感じの刺激を与えているっぽい。加えてSNSはどんどんコンテンツが流れてくる。なんとなく見てしまうのはそういうことなんだろう。
そんなスマートフォンに触り心地と動き、音で本物のフィジェットは勝るかもしれないという妙な好奇心が私をフィジェット購入に至らせたのだった。あと、SNSはスロットのようだという比喩のようにスマートフォンはフィジェットのようだという気づきが自分の中で生まれたのも面白かった。あとは到着を待つばかりである。ちなみに「本物のフィジェット」と書いたが、フィジェットには「この機構を設計したオリジン」みたいなメーカーがいくつかあるようで、高いやつだと何万もするようだ。
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レビューもそうだけども、中国国内でのコピー品への考え方なんかも面白い
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