もう3ヶ月位履いていると思ったがそうでもないらしい。2ヶ月位だった。
そんなに変わらないか。
全体的に柔らかくなるように製法、底材、甲革と選んだのと羽根の大きさが手伝って履きやすさのフィーリングが合うので出番が多い。きっとそのせいもあってずっと履いている感覚を覚え、長い間履いているような気分になるのだろう。
TEMPESTI社のエルバマットのオリーブとMPG社のニューヨークのブラウンでコンビシューズをお願いしたがどちらもオイルドレザーと呼ばれる素材だ。
特徴は、なんだろうな。素朴な風合いが持ち味。一言で言えばこれだろう。
もう少し付け加えると一般的な皮革よりも油分が多い革ということになるだろうか。
引っ張ったり曲げたり内側から指で押すと油分が移動して色が薄くなるのが特徴で、履いていると先程書いたとおりで素朴な風合いが生まれる。艶がキラッとしすぎず、しっとりとした様子が優しく、好きな革の種類。「鳥の中でも文鳥が好きだ」と言っても、その中に幾つかの種類があるようにオイルドレザーも触った感じだとか色の出方だとかでなんとなく雰囲気が分かれる。
エルバマットの方が柔らかい感じがして、しっとり。艶はふんわり。ニューヨークの方は比べると少し固め(それでも柔らかいが)。艶もバリっと出る。エルバマットが柔らかいせいもあって、硬そうに見えこの茶色は板チョコみたいな雰囲気。甘い。良い。
経年変化で色の濃淡が部分部分で出てきてシワや小キズなども楽しくなる靴なので、こういった革と頻繁に履く靴は相性がとても良い。「ダラダラ履く」という言葉を綺麗にできる才能が自分にはないな。と思ったのでそのまま使うが、そういったリラックス、脱力の奥の奥にある本当のゆるい感じを上手く拾ってくれる。「自然体」とか言おうかと思ったけど、もうきっと今はこういった言葉はどれもその楽な感じを本当に表す言葉ではなくなっている気もするので、やっぱり難しい。
もちろんだからといって大きいサイズで作るとか、そういうことをしてはせっかくの設計が無駄になるのでジャストサイズでその感じを味わってみても良いかもしれない。
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