スルメのような人間の反対語はガムのような人間だそうです。
模型って「今日はここまで。今日はここまで」ってじっくり作っていくのっていかにも素敵じゃないですか。でも自分でそれやってみると、ある瞬間飽きかけたんですよね。
あれがすごい不思議。俺が模型をガムとして食ってるのか模型がガムなのか。
幸い、まだプラモデルを積むという習慣もなく、できることも少ないから興味関心もそこまで広がらないので
「あれもやろう、これもやろう。む?どれも出来ていないぞ」
という仕事における最悪の事態に陥らずに済んでいますが、ただ完成する前に飽きるかもしれないという感覚は結構デンジャラスです。なんででしょうね。「飽きたらどうしよう」って。別に、何千円のものでどうでも良いのに。
タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.278 アルピーヌ ルノー A110 モンテカルロはそういう意味では色をある程度塗った方が良いんじゃないか?と感じて色を塗ってる上に、仕事が忙しくて休みが中々取れないので作り始めてから結構時間が経ってて、その組みかけの姿を見ると「あーなんかめんどくせぇなー」と一瞬思うときがある。
そうするとハロー効果でそのまま
「大きさは良いけど前が長いのがなんだか気にくわない(気がする)」
「今は飛行機を作りたいから、そっちを先に作ってみても良いのではないか?」
と「めんどくささの拠り所」を探し出したりしていて徐々にこのプラモの鮮度が俺の中で落ちていくのがわかる。自分が当初思っていた完成までの日にちがどんどんどんどん遠くなっていくのと「来週末には終わるだろ」が終わらないので、そのせいで実際の日数の経過よりも長い時間完成していないような気がしてきて、フェードアウトしそうな感覚というか、海でメガネが流されたとときのあの、一瞬で掴みきらないと本当に遠くに行ってしまうような危うい気持ちになったりする。
こんな感じで自分で色を塗ることを選んで、自分で忙しいのに箱を開けたのに、塗らずに完成させたときのスピード感と比較をしたり、毎日チマチマやってることで「開けてからの日数」が経っていることとかそういうのを気にしてる。
ただまぁ、奇跡的に私は「うわーこれがすげー!」「この意図、やば」とかグダグダやるスキルがあるのでヘッドライトの黒を塗ってるときのあの感覚は楽しかったなとか、どこかでみた「パーツの合いがタミヤらしくない」というレビューがなんで起こるのかとかを考えながら作ってるのでその辺の心のブレはデカい振り子みたいなもんで作りたい理由と作りたくない理由を並べ立てながらグワングワンやってます。
しかしこの、飽きずに完成させられる時間と工程数ってある程度あると思うんですよね。自分の場合はタミヤのミリタリーミニチュアの1/48はなんかそういうバランスがめちゃくちゃ良くて、色を塗らなくても一つの統一された塊が、程よい密度と面構成の豊かさで作られて楽しいし、ウォーバードシリーズなんかは今は色をある程度楽しく塗られるので、余った塗料でぺたーって塗ってトップコートの光沢で仕上げても楽しい気がしている。
このキットは、この成型色のキラキラした青がスマホで撮ると本当にキレイな青になるので写真を撮って驚いているんだけど、この青の質感に対してどこまで色を塗るのか塗らないのかという選択がくっそ楽しい。

タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.278 アルピーヌ ルノー A110 モンテカルロ 1971 プラモデル 24278
- 出版社/メーカー: タミヤ(TAMIYA)
- 発売日: 2005/03/08
- メディア: おもちゃ&ホビー
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