Re:11colors

毎週木曜更新(2021年1月現在)。革靴、模型、日常。

タレをつければもっと美味しい、戦車模型塗装の世界。

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プラモデルとは時折斬り合いになるときがある。キットは私に退屈な作業を強いるし、私がその作業を拒否すると一向に進まないので作る。そんな感じで渡された課題を渡された勢い以上にお返ししててやるみたいな時間がある。そんな衝動的にプラモデルを作る人がどれだけいるかは、知らないけども。

 

タミヤのT-55は個人的にはそういうキットで細かい作業とか同じ作業があるたびに、めんどくささを感じながらも作るという時間が多かった。ただ、それがいざ作ってみるとすんなり終わったり意外と楽しかったりするので「なんだよ、楽しいじゃねえか」と、最初は仲が悪かったのに最後には親友になるようなそんな時間を過ごせたと思う。このバランスがいわゆるタミヤの品質といったところだろう。わざわざ作らせる細かなパーツ達は、見た目の豊かさを演出する上で必要な分割だったりするので、ひたすら細かく分割しているわけではないということが、よくわかる。

 

そんな感じで、ごわついたツイードのジャケットやバキバキに硬いジーンズを部屋の中で着て、ゴロゴロしたりしてなじませるように自分とモノの擦り合わせが最初から最後まで行われていくわけだけど、これは1/35や1/48の戦車模型独特の面白さだと思う。あまり各工程でドラマチックに形が変わるということがなく、その反対に何度も同じことをしたり、フックを細々とつけたりする作業は、手間だけど終わった後には当然のように良い雰囲気を醸し出す。

 

今回は初めて塗装をしたのだけど、塗装はその雰囲気の良さを味わうための工程に過ぎないような気もした。

模型を美味しく食べるための工程という感じが強く、「塗装をして完成度を上げたい」というよりは「塗装をすることが楽しい」というわけでクオリティ云々よりも色が変わることだとか、様々な色の糸で織られた何色とも言えない生地のような味のある雰囲気を生み出そうと思えば生み出せることだとか、そういうことが楽しかった。

 

筆目をどう生かすだとか複雑な表情をどうコントロールするのだとか、そういうことをどのように表現しても受け止めてくれる幅の広さに戦車模型の面白さを私は感じた。

 

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この面白さは実のところ指定色だとか、ウェザリングに代表する様々な技法専用の道具があることがポイントだと思う。これが客観的な拠り所になるので、自由に塗ってもなんとかなるというのが実情ではなかろうか。指定色を使いながら自在に色を塗って最後にウェザリングカラーで全体を仕上げようとした場合、だいたい感じの良いところに着地するのが戦車だと思う。

 

「今の戦車模型の面白さ」というのを考えたときに、例えば登山をするだとか海外旅行に行くときにGoogle マップで経路を確認して、必要なものを調べて、向こうの天気だとか気温もしらべて準備万端で楽しむというような感じがあると思う。塗料や筆なども技法から逆算されたものが多く、説明書に書いてあるようにエナメルのブラックを20倍に薄めてスミ入れをすることもないというわけだ。

 

今は、おそらくだけど、専用の道具を揃えながら、狙い通りに登っていく楽しさが戦車にはあるのではなかろうか。だからこそ、私のような戦車そのものに興味はなくとも「なんかやってみたいな」という人間が気軽に楽しめている。

 

そんな狙い通りに進められた出来上がりの姿はあまりにもドラマチックで「タミヤはこういう世界を作ることで勝負をしているのだな」というのがとてもよくわかるので、この現状は非常にありがたいです。

 

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