Re:11colors

毎週木曜更新(2021年1月現在)。革靴、模型、日常。

最も優雅なプラモ趣味を知りたいのなら -スケールアヴィエーションを読んで-

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ファッションに長らくはまっていると思うが、ファッション雑誌から顔を背けるのはかなり早かったと思う。私服の高校で外見に関わる校則は一切なし。入学式を終え、週が明けるたびに、数人ずつ髪の毛が明るくなる。私も例に漏れず茶色くして、私もみんなも毎月毎月髪の毛の色が変わる。髪型も変わる。ピアスの穴も開く。都心の遊び場みたいな高校の帰り道には渋谷、原宿、新宿に池袋。どこでもいける。ハンジローでLevi’sの501が2980円。大仏のプリントされたポイントカードは還元率が異様に高い。

 

そんなところに通っているとファッション雑誌なんて読む必要がないのである。何が流行っているかもすぐにわかるし、コミュニティそのものがファッション命!みたいな感じだったので、あんなのが欲しいこんなのが欲しい、あいつはBEAMSでポーターの財布を買った、なるほどBEAMSへ行ってみよう。なんて自然と行動範囲は広がり知識も増えて趣味趣向も勝手に発展進化していく。固まった好みは確かな幹となって枝葉を伸ばしていくので今も揺るがない。

 

そんな風に野良でファッションに触れてきた私の心を離さない雑誌がある。スケールアヴィエーションという航空機プラモデルの専門誌だ(昨年の今頃、なんと私が書いた文章が掲載されている!)。私がこの雑誌が好きだなと思う理由は優雅さだと感じている。写真が綺麗で、清潔感がある。レイアウトも品がある。そのせいか、私は「飛行機プラモデルを作る」というのはプラモデル作りの中でもっとも優雅で大人なものだと思っている。

 

今号は2000円で楽しむヒコーキ模型の世界という私がプラモデルに触れるきっかけになった「1500円で楽しむヒコーキ模型の世界」の続きとなるもの。飛行機のプラモデルで2000円も出すと私みたいな「ガチ」じゃないプラモデルを作る人間としては結構満足の行くものが買えるし、色を塗ってどうこうなんてことをしなくても、この価格帯のタミヤの1/48の傑作機などは切って貼るだけで誕生する洗練されたデザインの塊として満足度が高いので、いい特集だなと思ったりもする。

 

私は常々、プラモデルはジーンズのように「大量生産品でありながら、オーナーの手によってそれぞれ違うものが出来上がる面白さ」があると思っていたが、それに近しいことが巻頭言に書いてあってとてもよかった。プラモデルの面白さは私とあなたが同じキットを作ったとしても同じものにはならないところだろう。技術の巧拙もあるかもしれないが、それよりも作っている過程の場当たり的な気分の痕跡が完成品としてプラモデルに残るのが楽しいのだと思う。

 

今号のスケールアヴィエーションは、知らない世界を覗くには恰好の一号ということになると思う。本屋をなんとなくうろついて、手にとって気に入ったら買ってもいいと思う。というか、表紙の水彩画のイラストとめくってすぐの切り絵だけで心を掴まれる。

 

たとえ私が、今日までプラモデルを作っていなかったとしても、この号を見て結局プラモデルを作ったのだろうな。

 

 今週の物販

 

Scale Aviation(スケールアヴィエーション)2021年 05 月号