友達がWEBでファッションライターやったり、漫画を描いてそれが書籍になったりしてて、とてもうらやましかった。
どうすればそうなれるのかはわからないし、自分はそういう意味だとニッチジャンルを愛でがちというか、狭い感じというか、自分が当ててる照明がズレている気がしていて、文章が外部のメディアに載ることはもうないだろうなとここ何年かは思っていた。
なのでそういう活躍を見ていると、結構悔しかった。俺だって書けるのに、少し光の当て方や、光を当てたいものがズレているだけでこうなってしまう。なんて。問題がわかってるならそこを直せばいいって話なんだけど、直らないからその問題が良くわかっているみたいなところがあるような気はしている。
例えば、革靴じゃなくてスニーカーの話をすればいいのかもしれないし、「これは良い!」と思うものの中でも入手しやすいものの話をすればいいだろうと思う。
今ハマっている模型だって自分の思う好きな色に塗らないで箱絵の通り、あるいは実物をまねて手をかけて作ればいいと思うが、そういうことにピンとこないまま、意のままに好きなものを積み上げていって、視力検査のときに使うレンズを自由にはめられるメガネの様にパチパチパチっと何枚も自分の好きなレンズを重ねて好きなものを見つけて、接していたのだから直らないというか直すものではないのかもしれない。
その行きつく先が文学フリマで用意している「紳士靴シリーズ」「生活と革靴シリーズ」「発見と模型」になるわけで、「(合うものが)もうないなら自分で作ってしまおう」と、昔学んだDTPを使って冊子を作りだしているというわけである。文学フリマでは、この手の狭いジャンルなものの割に結構売れてると思うし、毎回リピーターの方が増えてきていて、続ける面白さみたいなのはあるんだけど、それでも、その横目には最初に書いた、ライターや漫画家の友達が活躍しているのが映っている。
とりあえず独自路線でやってこうと、もう一度決めた矢先に声をかけてもらった。
それがスケールアヴィエーションという飛行機模型の専門誌。
私がスケールモデルを作るきっかけになった雑誌にまさか声をかけられるとは思わなかった。一番最初にガツンとやられた模型誌が一番最初の舞台になったので、まだ書いてすらいないのにホームランを打ったような気分で心が躍った。
文章自体は、もう何年も前だけど、友人と飽きるほどにやりつくした「お題があって文章を書く形式」での話だったので、とてもやりやすかった。決まったように言葉を置く。文章全体の構造はまずは読んでもらって、比喩表現を使って橋を渡して、言葉をうまく分解して説得力を高め視点の明確化を行う。そこからフワッと高跳びさせる。決まったやり方。
最後の一文は、読者を突き放せるというのはHIPHOPのフリースタイルバトルの後攻の最終ターンのロジックを真似している。
「クリスチさんの文章は他の誰とも違う角度で読んでる人の心にアクセスする力があるから、俺はその才能に惚れている」
と話してくれた先の友人も喜んでくれ、「好き!」と文章を褒めてくれた。
スケールアヴィエーション 2020年5月号「インテリアとしての一次大戦機ダイオラマ」
読んでくれるととてもうれしいです。
今日は良いことのお話でした。
↓模型はもれなく組み立ててブログにのります。
今週の物販
これのハインケル版を買いました。楽しみです。