たまにものをいただく方がいて、箱の中に一筆箋が入っていることがあったりして、僕なんかはそういうものを持っていないから「大人だな」なんて思ったりしたものの、僕もいい感じに大人なわけでそういうものが欲しいなとぼんやり考えていた。
最近は手紙を書く機会が何度かあって書くときに便箋と封筒を買いに行った。銀座の伊東屋の2Fにとりあえず足を運んでみたが、とても面白くかなりの時間をかけて写真のオリーブ柄の便箋と、組みになっている封筒を入手した。
面白かったのは便箋それぞれが手紙を演出する上でとても良いものだということだ。
花柄でも可愛らしいものからマダムっぽいものもあり、オリーブはオリーブで植物柄の中でも柔らかでみずみずしい柄だった。他のものだと動物や、キャラクター、建物などが描かれたものがありいずれにしても「送る人のことを思って買う」というのが大きなポイントだと思う。あの人にこの柄は似合うだろうか、私が書く手紙にあっているだろうかということを考える時間がとても楽しい。女性的な柔らかさのあるデザインのものが多く、メーカーによってデザインの方向性が微妙に違っているのも面白い。
そんな体験が楽しくて昨日も銀座に行くついでがあったので伊東屋に立ち寄ると、以前買ったオリーブの柄の便箋は無くなっていて驚いた。驚いた、というのは売れたんだなということもそうだが売場全体の便箋がどこか秋めいていて、紅葉だとか、夜だとかそういうものが並び出していることに関してである。
私はオリーブ柄の便箋と同じようなタッチのぶどう柄の便箋を選んで追加で購入することにした。メーカーはHallmarkというところで老舗らしく、オリーブの便箋の書き心地が良かったので贔屓にすることにしたからだ。
実際にHallmarkのものを眺めていると、罫線が引かれていて、黒をはじめとした濃色のペンで描くことを前提とした紙色をしているものが多くデザインが筆記の邪魔にならないマナーのあるデザインでとても心地が良い。また、印刷されたデザインも、箔押しやエンボス、ラメなどが一部施されていることが多く、少しだけ特別感がある。少しだけ、というのがポイントだろう。購入したぶどうの便箋もイラスト自体にところどころ金色に箔押しされたアウトラインが美しく、眺めていても綺麗だなと思うし、さらっとジュエリーを身につけるような気品がある気がした。
こういった時候を感じさせる便箋はとても愛らしく、素敵だと思う。
便箋に季節があって手紙を送る上でそういう、季節による演出が紙に宿る面白さが存在しているということにとても興味関心を抱いたし、わざわざ手紙を書く面白さというのを私のような人間にもはっきりとわからせてくれる。また、お店に出向くことで季節に合わせた展開がなされていて、その中で選ぶという行為がとても楽しかった。
伊東屋の便箋コーナーで30分以上過ごしてしまったのだけど、これは本当に楽しい世界だと思う。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは私もNetflixで見たけども、あの世界でもこういった便箋を選ぶ、あるいは便箋を作る仕事があったりするのだろうか。なんてことを考えながら便箋を選んでいました。
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