Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

ところで本物って何

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最近はフィギュアを塗るのが楽しくて、よく塗っている。

 

完成品の大きさが小さかったりメインで使う塗料をファレホという水性塗料に代えてからは準備も気軽になったりして取り組みやすくなったという機能面と、フィギュアは乗り物と違って実物と似ているか否かだけでなく、原型を生み出した人の思いがポーズや表情に出ているのが楽しいし、ファレホはファレホで明るめのトーンに代表される発色の良さで塗りムラの少なさが単純に楽しい。魅力的なモチーフに快適な作業環境。これ以上何を求めたら良いのだろうか。

 

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というわけで「本物」の話である。フィギュア塗装で一番上手く行ったのはハセガワの50'sアメリカンガールズのスカートがたなびいている彼女なのだけど、人物のフィギュアを塗るときにふと頭をよぎる「本物みたいに塗りたい」という気持ちの本物ってなんでしょうか。本物の人間みたいに塗りたい? いや、どうだろうか。果たして彼女や彼の本物は、どこに行けば会えるのだろう。なんてことを考えるとざっくりいうとせいぜい「本物の人間」というのは電車で向かいに立ってる人だとか、帰り道にすれ違う人とか、毎朝コンビニでレジを打っている人くらいのレベルなのかもしれない。

 

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あるいは「表現の追求を」と思ったときに親しい関係の人間の顔をジーッと見てみたり、ときには執拗に触れてみたり身体の構造や服の光と影を追いながら生地を摘んでみたりする。なんてことができれば良いけど、それをしたところでプラモデル化した「果たして実在したのかわからない誰か」を再現するには難しく、ある意味では絵画的な技法で「とりあえずこの表現をしておけば『本物の人間』っぽく見える」というところがゴールなのではないか。

 

なんて思ったときに可能性のひとつとしてあり得るのは既に世に出ている絵画やイラストの雰囲気を再現するというやり方だと思う。人物画は山ほどあるし、時代世代によって多彩な表現があって、それを参考に作るというのは割と楽しそうだ。ハセガワのアメリカンガールズに関していえば、昔のアメリカのイラストレーターが描き出す雰囲気みたいなのが頭の中に残ってたのでそれを存分に活かした。淡くとも力強い感じは華があるといっても良い。発色の良さはファレホならではだと思う。

 

フィギュアを塗るときに頭をよぎる「本物の人間っぽさ」の正体、一度調べてから塗り始めると、結構思いのまま行っちゃうときは行っちゃう気がする。もちろん、誰かの完成品と同じように。なんてのも十分ありですね。

 

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