Re:11colors

毎週水曜更新(2021年9月現在)。革靴、模型、日常。

夏休みの宿題 タミヤ 1/35ドイツ歩兵セット(大戦中期)

 

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プラモデルを始めてTwitterのアカウントもそういう方向にシフトしはじめた頃に「ああ、この人には勝てないな」と思った人がいて、その人にだけは割と早い段階で白旗を揚げた。

 

他の人とはどうなのか?といわれると、勝負しているわけではないし喧嘩をふっかけるわけでもないけど「この人はここがうまいな」と思ったりするのと同じくらい「ここは俺の方がうまいな」とか「これは何故こうなっているのか?俺ならこうするな」みたいなことを考えたりする対象として見ていた。というか人(?)というより作品というかなんだろうな。ネット上で見る完成品はいつだって完成品だし、それを通じてその人に興味が湧くまでは完成品だけを見ていると思うので、人を見ていたというわけではない気もする。

 

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そんな感じで頭が上がらないモデラーが数人いるのだけど、その中の一人に塗装を教わることになった。その人とは数年前に一度会っていて、確かそのときも「他の人には”ここは俺の方がうまい”って思うところがあるけど、あなたにはどれも勝てない」という話をしたし「私はまだ自身がそういう高いところに登ろうとしていないところが良くないと思う」みたいな話をした。タミヤの1/35 ドイツ歩兵(大戦中期)の一人を教材にした塗装教室で教わった内容は、非常に整理された根本的な話を2つ、あとはハイライトの入れ方や影の考え方というシンプルなもので非常に驚いた。そして、こうやって積み重ねた経験が知識としてまとめられたものを、いまこの瞬間聞いているということに面白さを覚えた(なので、何を教わったのかは書かない。言うまでもないけど)。

 

それを聞いて「ああ、そういうことか」と思いながら頭の中で理解したことを話すと、返事が返ってきて自分の中に知識が溜まる感覚が面白かった。ハイライトを入れる部分のいくつかを「服と肌が離れている部分」という風に話したと思う。

 

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その後はしばらく教材となったキットからは離れて、他のジャンルに手を出して「あー、なるほどね」なんて思いながら色々と作った。あの日を境にうまくなっていることはわかっていたし、何故うまくできているのかもわかっていた。そして、先日久しぶりに途中のドイツ兵に手をつけたのだけど、これは大層うまくいった。塗れば言っていたことがわかるし、見れば今まで見えていなかったものが見える。「顔ってこういう風に光が当たるよね」なんて考えたこともなかったし、しっかりとキメるところと色の雰囲気だけを纏わせるところの面白さがよくわかった。

 

視界が捉えたその世界が形になるというのは本当にすごい。

何がすごいって頭の中で考えているものが立体になることで、頭の中で出来上がっているそれは目を通じて得た経験が形作っているということだ。なんだかわからない雰囲気の良さをまとったドイツ兵は俺の頭の中での「こう見える」が形になったもの。欲しいものが自分の手で生み出されるというのは思ったよりも快感だった。

 

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小さめなフィギュア塗装の楽しいところは、知った理論や考えの結果、自分が感じたものを「ほんの数センチに満たない面積でだけ」実践すれば良いところだと思う。広い面積を再現性の高い作業を繰り返さなくて良いというか。そこには確かに視力の世界もあるけども、それとは違う目で見たものをどう認識しているのかの面白さが詰まっている。

 

いつものプラモに飽きたなら、やってみるときっと楽しい。

 

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