Re:11colors

毎週水曜更新(2021年9月現在)。革靴、模型、日常。

6本の弦が鳴っているだけ

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最近はプラモが上手い。上手くなっているなと自分でも思う。

 

「伸びている」というやつだ。ただ、それを見て「俺は下手なままだな」と思う人がいたりすると結構しんどい。とはいうものの、本当に上手くなったかどうかについてとか、上手くなる意味、そもそも上手いってなんだろうか、みたいなことを考える機会だと思える部分があるので、まだ大丈夫だ。正直な話、上手くならなくていいと思っている部分もある。俺は欲しいものが欲しいだけで、気に障る言い方かもしれないけど「欲しいという気持ち」にやりたいことがついてくるという楽しみ方をしてるんだと思う。

 

フィギュアの塗装に関してはどこかで触れたが、あるレベルまでは手続き的な部分が多い。今やっている塗装方法も教えてもらったことをやっているだけでそこには私の手段における創造性みたいなものはほぼ無い。ただ、その手続きを守っているのに同じものが仕上がらないのがフィギュア塗装の面白さだと思う。教えてもらってから4体塗ってわかったことは「これは塗る人によって仕上がりのイメージが確実にバラける良い趣味だな」というものだった。正解がないのだ。

 

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それと、このジャンルは本当に上手い人というのは本当に上手くて、これはどうにも超えられそうにない感じがする。では、と思って上だけ見ていた視点を下ろしてみると今度はそれはそれで、真ん中あたりの「これならできそうだし、真似したいな」といった仕上がりのものがなかなか出てこない。それでは、と思って本を手に入れたり誰かに聞いてみたりすると、少しだけ活路が見えてくる。概要だけいうと手続きが載っていて、それをどう守っていくかということがカギになる。その割に、さっきいった通りで「それぞれの正解」が頭の中にあるので仕上がりに幅が出る。

 

これが面白いし、真ん中あたりの仕上がりというのがあんまりネットでは出回ってないような気がするので、軽い気持ちで発表してみると「なんだか上手く見える」という面がありそうだ。

 

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塗っていると「こんなに上手く仕上がるのか」という驚きと、「どうやっても上手くいかない」という二つの感情が巻き起こる。既存の色合いに囚われて下地の青や赤がまるで隠れてしまったつまらないカーキの軍服、明暗のコントラストの弱いぼんやりとした仕上がり。抜け出すことができず、いつまで経ってもうすだいだい色の周辺をうろちょろするだけの肌の色。教わったことをやっているのになんでこうなる。全然違うじゃないか。

 

果たしてこれが上手いと言えるものなのか、上手くなったと言えるものなのか。

 

高校時代、友達が「あれはギターを弾いてるのではなくて6本の弦から音が出ているだけ」と何かの折に言っていたことがある。俺は今はそんなものだと思う。

 

そしてこのドイツ兵は、まだ背中の荷物とか制服のボタンを塗っていない。

 

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