Re:11colors

毎週水曜更新(2021年9月現在)。革靴、模型、日常。

塗装日記 2021 9/4〜9/18

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私の友達が以前「コンサバファッションといってもコンサバの中に流行り廃りがある」みたいな話をしていて確かにそうだなと思ったことがある。言葉はある範囲を規定することがあるが、それゆえにその奥が見えなくなることがあるなと感じた出来事だった。私のプラモデル生活においてそれに近しいものは「塗装」であった。

塗装は今も苦手だが、先のコンサバのように考えてみると「広範囲の塗装が苦手」ということがわかったし、あとはなぜ俺は塗装が苦手なのかを考えてみると

 

・そもそも準備をすることが面倒

・言われた通りに塗料を溶剤で希釈しても上手くいかないことが多い

・乾燥に時間がかかる

 

ということが嫌だった。

 

そんな風に苦手意識の根本をたどってみると、これはもう単純に「向いていない」と言いたくもなるところだが、今あげたことが全部存在しない塗装があるとしたらどうなるかというのは考えてもみなかった。

 

そこで、ファレホの登場だ。タミヤアクリルでできなくもないのだけどもっとストレスをなくしたい、比較されがちなシタデルカラーは確かに塗りやすいけど独特のメソッドを把握するのが障害になった。もっと自由に塗りたいというか、こちらがやりたいことと、メソッドの相性が悪いのか頭の中に引っかかる感じがある。

その点私にとってファレホは相性が良かったのだと思う。実際、さっき書いた面倒なことが全部なくなってしまうと「こうしたら、こうなる」と俯瞰した感じで塗装を取り組めるようになった。

 

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まずは教わった通りにやる。これは初めてにしてはとても上手く言った。

 

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次は、最初のステップの色を変えてみる。取り組み自体は面白かったが、服を全体的に緑で塗ってしまったので「ついつい思い込みで緑に塗ってしまうな……」と反省。全体的に色がまとまりすぎていて、自分のつまらなさに嫌になる。

ただ、塗装の出来はかなり良く「塗る」という技術的な面では問題がなさそう。

 

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思い込みから脱出したくて、無理やり極端に振ってみる。昔からこういう”大げさな失敗”を意図的に起こすことでどこまでいけるかを探ったり、思考の振れ幅を大きくしようとする。ただし、今回は仕掛けあり。光と陰の考え方にコンプレックスハーモニーという配色方法を取り入れてる。デザインの専門学校にいた頃から好きな配色テクニックだが、案の定不可思議な仕上がり。

顔色が悪いのも配色に引きずられた感じで、いい意味で失敗していて良い。

あえて極端な色分けと色がまとまらないようにしたし、不自然な配色を使ったので「これをコントロールすれば次はうまくいくな」という確信あり。

 

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今朝方作ったものはうまく言った。

狙い通りにうまく言った感がある。色の選び方も思い込みからは脱せられて、肌の色なんかは特に全体の様子に気を配った感じで「肌は肌色でしょ」というわけでもなく、極端すぎずという感じでチューニングがうまく言っている。

 

こうして塗装をしているとわかるのは私が「上手いな」と思うものは細かな書き込みや精緻な情報が詰まって本物らしく見える方向性よりは、何かこう、世界観みたいなものをコントロールしているものだということだ。そしてそれは習得するというよりは既に持っているものを表出するといった感じで、肌は肌色で、軍服は沈んだグリーンであるといった類の思い込みから解放される必要があり、自分で音程を作りながら小節の上でラップするような面白さがあるということに気づいた。

それにしてもわざと失敗を起こそうとするのは意図的ではあるが、効果的ではある(「脳の右側で描け」の最序盤、思い込みから自身を解放するために逆さまの肖像画を描き写す課題があるが、正位置でそうするよりもとても綺麗にできる。ただ、今も私はそこまで絵は上手くない)。

 

この世界は「上手くなる」というとついつい写実的で精密な表現に寄ってしまう。道具だってそういう風に作られているものが多い。なので表層的な「上手くなった」はそういうことだし、「下手だな」というのも何を指しているのかは明らかだ。

 

ただ、自分が本当に欲しいものを得るために必要なのは、どうにもそういうことだけではなさそうな部分がある。「俺はこういうものが欲しい」と思えたり、気づけるのであれば、下手なままでも上手くなってもどっちでもいい気がするし、実のところ上手い下手なんていう言葉のない世界に居られるのかもしれない。

 

欲しいという願いが、完成品をより良くすることを果たして「上手くなった」と言うか、言われるかは別として(というか多くの人が元々上手いのかもしれなくて、何かが障害になっているのかもしれず、それこそ”逆さまの肖像画”のようなものがプラモデルの世界にもあればと思う)。

 

今日の物販

 

 

 

 

あ、あとAmazonで見つからなかったけどアーマーモデリングの2020年1月号が今見るととても良いです。