Re:11colors

毎週水曜更新(2021年9月現在)。革靴、模型、日常。

タンポポ/KREVA feat. ZORNにnippperの未来を見る

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地続きで体験し続けているカルチャーの一つに日本のHIPHOPがある。中学生の頃にKICK THE CAN CREWやRIPSLYMEが売れたりしてHIPHOPは一気に、それこそただの中学生の俺にまで届くようなものになった。それに映画「凶気の桜」(見てないけど)なんかでアングラっぽかったりギャングスタラップっぽかったりするものも王様のブランチのコーナー内でのCDTVで流れたり、学校へ行こうB-RAPハイスクールみたいに面白さの装置として扱われたりと、そういう風にHIPHOPの幅みたいなのを味わったりしてきて、当時夢中になったMTVの影響などに包まれながら俺は今の今まで洋邦問わずHIPHOPが傍にある人生を過ごしている。

 


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9月8日、KREVAが突然ニューアルバムをリリースした。9月8(908、クレバ)日にちなんでということなので彼を知っているのであればなんてことないのだけど、それに収録されているのが、表題のたんぽぽという曲だ。この曲はシングルでリリースされた時になんとなく聞いていたけど、改めて聞くと「ああ、日本のHIPHOPというのは一周したのだな」と感慨深いものだった。というのもKREVAKICK THE CAN CREWとして三人で年末に点滴を打ちながら武道館からTBSまで行っていた全盛期には彼らにとっての「こうなりたい」というラッパーとしてのモデルがいなかったのかもしれないと気づいたからだ。

 

もちろん当時のKTCCの楽曲の歌詞には「プラダよりナイキ、グッチよりアディダス」というような感じでブランド名をあげながらサクセスストーリーを匂わせる世界観を描くものはいくつかあるが、実在するロールモデルはいなかったのではないか(もちろんレジェンドとしての様々なアーティストはいるが、当時の彼らほどテレビに出てチャートを賑わしたのかというとそうではなくあくまでもコミュニティ内での成功だったと思う)。ただ、たんぽぽを聞いてみるとどうだろうか。ZORNKREVAのように成功したいかはさておき、ZORNを受け止める側としてのKREVAという構造が成立していて、非常に驚いた。以前は、ラッパー同士のコラボというと仲間であったり、せいぜい先輩後輩程度の距離感で彼らの言葉を借りると”クルー”的なつながりというか、世代が近い感じがあった。ただ、たんぽぽでの二人の今のアーティストとしての立ち位置を考えると、現在ほとんどアングラへ関与をしないKREVAがメジャーシーンで切り拓いて築き上げた、コミュニティを超えたHIPHOPの居場所というのが確かにあるのである。

 

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そこでnippperのことを考えてみると、nippperは「よし、やろう」という感じで本人たちは「見切り発車」と時折いうものの、二人が何をやってきたのかを考えれば、スキルのある人がついに楽曲をリリースしたような感じに見えるし外へ外へと向かう推進力があると思う。

 

俺にはnippperがどうなるかはわからない。だから楽しみだし楽しい。よその文化には成功のロールモデルがある感じはするが、プラモデルに絞った場合は俺にはいまいち見えてはいない。ただ、原稿を定期的に提出しているし、掲載もされている。そのおかげで写真も上手くなったし文章も賞を取れるくらいには上手くなった。もちろん、プラモデル作りも。「手伝っている」と思うときもあるし、俺は俺で自分で「こう書いたらいいんじゃないか?」と考える部分ももちろんあるので異なる声として一翼を担っていると思うときもある。記事数も2人の次くらいには多いんじゃないか(癖のある記事がそれくらいの割合というのも怖いが)。

 

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表題のタンポポKREVA feat. ZORNを聞いているとコミュニティを超えて成功した人間が下の世代を受け止めるということの文化の芳醇さに驚かされる。プラモデルとHIPHOPは全然違うけどコミュニティを超えた成功が持つ文化の中での重要な役割というのがよくわかるのであった。5年後10年後何処かの誰かが「nippperで書いてるクリスチさんのように」といって勢いよくどこかに飛び出ることがあればいい気がするし、その頃にも俺は相変わらずプラモデルを作って文章を書いてるか、もっと大きな場所で何かを書いていればいい。

 

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いろんなプラモを多くの人が作って感じることがそれぞれ違うということがもっと明らかになって、車にも船にも戦車にも飛行機にも興味がない人がもっと自然に「あ、プラモデルを作ってみようかな」なんて思える日が来たらそれは楽しいことだと思う。

 

 

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