Re:11colors

しばらく毎週月曜日更新(2022年7月現在)。革靴、模型、日常。

週刊少年サンデーが面白く、かけあうつきひが好きだ。



少年漫画雑誌4誌の中で、一番好きなのはサンデーだ。

そのサンデーが今、とても面白い。

 

サンデーは一時期、かなり危うい雑誌だった。というのも、面白い作品が極端に少ない時期があったのだ。「当時は自分が大人になったせいだ」と思いながら、好きだった頃のサンデーは戻ってこないと感じていた。内情は不明だが、低年齢向けの作品が増えたり、すでに大ヒットを飛ばしているゲームを下地にした作品や、かつてヒットを飛ばしたスポーツ漫画の続編に実在のアスリートが登場させたりと、とにかく急場凌ぎの作品が並んでいた。

 

 

そういった、かなりしんどい状況が変わり始めたのは2015年に編集長が変わってからだ。誌面に改革を宣言する広告が掲載されたときには、はっきりいって心が躍った。「強いサンデーが戻ってくるかもしれない」と本当に思った。その頃から駄菓子を題材にした"だがしかし"という漫画が、パワーヒッターのいない野球チームの「つなぎの4番」的に機能し始めて、息を吹き返し始めたのを感じた。

その後は大御所野球漫画の続編のMAJOR2ndが始まったりして急速に雑誌としてのセンターラインが整えられていく。その中で卓球を題材にした”ニッペン”だとかモンスター化した野菜と戦う”RYOKO”といった、少しサブカルっぽい方向性の漫画を試しながら、読者とのピントを合わせる作業を必死に行なっていたと思う。その頃に”古見さんは、コミュ症です”や”舞妓さんちのまかないさん”という、サンデーらしい漫画が連載陣に並び始めた。

 

 

そういった若さのあるラインナップをしっかりと後列で支えていたのは、今も長崎大学での日々を丁寧に描き続けている”第九の波濤”だったと思う。他にも防衛大学を題材にした”あおざくら”もそうだ。この頃のサンデーには「強いサンデーが帰ってきた」と確かに感じるものがあった。サンデーの強いときは、高校生か、高校を卒業して間もない頃を題材とした作品がしっかりしているときだと思う。

 

実際、自分が「サンデーは面白いな」と思ったのは、競走馬の生産牧場を題材にした”じゃじゃ馬グルーミングUp!”や競艇漫画の”モンキーターン”のような、中学生が少し背伸びをして読むのにちょうど良い漫画の魅力を知ったころだった。「もし自分が思い切った人生の選択をしたら、この世界に入ることもできるんだな」という地続きの現実感と、子供に見せてくれている、大人の世界が好きだったのだ。

そういう意味では、今の連載陣は「高校生か、高校を卒業して間もない頃」の主人公が多いのではないか。それに、最近では”白山と三田さん”のようにサブカルっぽさを織り交ぜることに成功している漫画もある(この作品と西部劇のギャグ漫画をガチンコでぶつけさせて入れ替わる形にさせたのはかなりの豪腕といった感じでこれもすごい)。

 

 

サンデーは数年前は「ヒット作の再現性がない雑誌」と言われたこともあったが、小学生の頃から読んでいる私からすれば、サンデーの勝ちパターンはいつも決まっている。それは、ホームドラマを見ているような感覚の漫画。「ドラマ枠」と勝手に読んでいるが、この枠が面白いときのサンデーは強い。派手に戦わずとも、確かに苛烈な冒険と、決して長続きするわけではない平和を丁寧に書く、葬送のフリーレンなんかは特にそうだ。

 

と、言いつつも一番の一押しは、お笑いコンビ400倍の日常を描いた「かけあうつきひ」。女子二人組が織りなすコメディドラマといった感じで非常に面白いので、読みましょう。