Re:11colors

しばらく毎週月曜日更新(2022年7月現在)。革靴、模型、日常。

動いていて欲しい時間がある-グランドセイコー SBGN005-



短針、長針、秒針に加えてもう一本の針がある。そして、文字盤に24時間を図るための目盛りがある。

 

GMTウォッチ」と呼ばれる腕時計の多くはこういったデザインになっている。なぜか。それは自分が暮らしている場所の時間と、もう一つの場所の時間を示すためだ。ベゼルと呼ばれる時計の外周部分につくパーツに通常の時計の12時の部分に、24と刻印されており、同じように6時の部分に12と刻印されているデザインが人気だと思う。

 

そして、概ね高い。そして、高いということは機械式の腕時計であることが多い。私は、それが嫌だった。

 



 

GMTウォッチの持つ魅力や、時計について調べていくうちに自ずと刷り込まれてしまう「格のようなもの」がある。

 

とはいうものの、調べているということは「なんらかの格のようなもの」を、自分が出せる予算と折り合いをつけるために知ろうとしている部分もあるはずだ。「ほどほどの格で、GMTウォッチが欲しい……」こんなわがままは、ついぞ叶うことはなかった。それは「ほどほどの格」というブランド力と「GMT」という機能が纏う雰囲気の相性がそこまでよくなかったからなのかもしれない。

 

そこにさらにわがままを言う人間がいる。私だ。「GMTウォッチを探そう」と思ったときに「必ずクォーツ製が良い」と注文をつけた。

 

 

こうなると選択肢は驚くほどに少なくなる。特に、10万くらいのものというのはまず見つからない。数万のものか数十万のものという感じだ。

 

時計のことは詳しくないので、実際のところはわからないが「針を回すための短針・長針・秒針・24時間針の4つの針を回すパワーを出せるクォーツ製のムーブメントは少ない」という話を聞いたこともある。実際にパッと出てくるものは、高精度クォーツを搭載したもので、グランドセイコーロンジンの2ブランドだった。どちらもそれなりのお値段。

 

「他にもあるだろう」と思うかもしれないが、この場合、パッと出てくることが大事なのだと思う。ある程度の金を出すのであれば信頼の置けるものが欲しい。

 

 

銀座でロンジンの前を通り過ぎて、そのままグランドセイコー直営店に行ったのは去年の8月だ。店内には「ショップ限定」と書かれていたモデルがあった。

 

試着して「ウッ」と心臓を掴まれて、手に汗をかきながら購入した。こんな買い物は久しぶりだった。1年間使っていて思うことがある。それはGMT機能とクォーツ式という組み合わせが「生命力にあふれていて、自分じゃない誰かの暮らしを感じるには素晴らしい」ということだ。

 

普通の腕時計なら機械式時計だろうがクォーツだろうがなんだっていい。ただ、GMTウォッチが数日間つけられることなく、部屋で止まっていると、遠く離れた国の時間すらも止まっているようでなんだか寂しい気持ちになると思う。

 

もう一本欲しいと思っても、良いなと思うものがないのが苦しいところ。ただ「存在してくれ……!」と思ったときに万全の姿をもってして、向かい入れてくれたのはセイコーという会社のすごいところだと思う。

 

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