Re:11colors

毎週水曜日更新(2024年6月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

DAMASKOの魅力は見ているだけじゃわからなかった。買ってよかった2023

 

「ドイツの時計はどうだろうか」

 

高級な機械式腕時計を買おうかどうか悩んでいた頃に友人が私にそういった。

 

時計好きな彼がいうことには全幅の信頼を置いていたので、それがいいなと当時は思ったものだった。ただし、買うに至らなかった理由があった。それはブランド名と苦手な上司の名前が一部似ているからだ。苦手なものを想起させるものに対して、進んで金を払って日々身につけるというのはなかなか厳しいものがある。

 

それ以外の要因もあり、当時はその時計を買うことはなかった。ただ、ドイツ製の時計が持つ雰囲気の良さはいつだって気になっていたし、何度も何度も「ブランド名が違えば、とっくのとうに買っているのに」と思うほどには良い時計だった。

 

 

そこから数年経って今年の春に購入したのがドイツの時計メーカー「DAMASKO」のクロノグラフ、ユーロファイターモデルだ。数年前に他の時計を買って店を出た瞬間に「次はコレ!」と目をつけていたのだ。そして、物価高、原材料高といった世間の流れを感じながら過ごしている中で「あれ、時計も高くなるんじゃないか?」と気づいて分割に分割を重ねて購入した。その後、価格改定があり分割手数料と旧価格を足しても届かない価格になった。

 

良い時計をつけると気分が上がると思ったが、実際にはそんなことはなくただ粛々と時を重ねてくれる姿に一定の信頼をおくだけである。それは道具然とした姿だからこそ纏うムードであり、美しさだと思う。なんでかわからないほどにキレイに折れ曲がるブレスレットは金属がとろとろに溶けたような錯覚を覚えるし「うちはこういうスタイルなんで」という無骨さを覚える。なにせ、とろけるような可動の割にはレンガのような均一なコマをつなげる形でブレスレットは組み上げられているのだ。可動は色気の演出ではなく機能であると言わんばかりに。

 

 

しかし、よく考えてみると「この腕時計をつけよう」と選ばせる理由は、棚やテーブルにポンっと無造作に置かれているときの佇まいである。硬質な質感を与えるデザインの時計が柔らかなフォルムでこちらを見ているというのは案外色気があるような気がしてきた。粛々と時を重ねてくれる姿に信頼感を持つのは確かだが、もしかするとゴロンと転がるその姿に私はすでに魅了されていて、それが自分の所有物であるということを実感したくて、ついつい身につけてしまっているのかもしれない。

 

スイスではなくドイツの時計を友人が私に進めたのはこういう道具的な良さに潜む色気を私が気にいるだろうと思っていたからだろうか。この面白さはショーケースを眺めていても試着をするだけでもわからない。買ってしばらく付き合わないと気づけない。なので、買ってよかったと思う。次に時計を買うときには無造作に置かれている姿を想像して、満足いくものを手に入れることだろう。

 

 

今週の物販

 

 

 

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