くしゃくしゃになったなんだかわからないパーツは脱ぎかけの水着(!)なのです。実際こんな風景に出くわしたことがあるかどうかはさておき、この瞬間で止まっている布を手にする機会は早々ないでしょう。というわけで、頭の中でも意味のわからない部分が知的好奇心によって刺激され、満たされる。それが良いのか悪いのかはわからないけど、「時が止まった布」が丸まった上半身にくっつくとかなり決定的瞬間といったムードのある塊が出来上がります。
実在のAV女優を3Dスキャンして1/20スケールという手のひらサイズに縮小してプラモデルにしてしまうという、ネイキッドエンジェル。このシリーズの面白いところってとんでもないポーズをとんでもない分割で、ハイ! どうですか? ってやっているところで、突然わけのわからないパーツに出くわす楽しさだと思います。
そうやって分割されたパーツを一つ一つ指でつまんでいると「背中が小さいな」とか「かがんでいる感じおもしろい」といった人をヒトとして扱ってしまう無邪気な危うさを感じます。そのくせ出来上がると、かわいいとかキレイとかそういう感情になるっていうのはモデルさんの力ですね。
合わせ目を消すことは普段は殆どやらないのですが、このシリーズはついやっちゃう。人間にない分割線は、プラモデルという不思議な趣味が、組み立てる遊びであることや、プラスチックという素材の都合上、パーツに分割する必要があるといった制限を感じることができる象徴的な存在です。
ただ、これを消してしまう。すっと奥にしまってしまうような作業で「よし、人の肌になった」と指でなでながら人間に近づいた感じを確認する時間はとにかく楽しい。その瞬間に何を求めているのかがわかるわけです。さっきまでは「分割が面白い」とか行っているくせに、組み立てる工程でそれを消している。
私なんかは色を塗って本人そっくり!なんてことは、あおいれなさんを知らないので、そもそも考えていません。質感と造形の良い女の人の形をした模型が出来上がる面白さを味わうためだけにネイキッドエンジェルを作っている。
それでいて彼女、自立しますからね。こんなポーズで立つのか! というのもプラモデルっぽい面白さ。だって、出来上がるまでは自立するかどうかなんてわからないんだもの。プレミアムトップコートのつや消しを吹くだけでいい雰囲気になるんですよね。肌色の成型色が、マジでキレイ。
2種類のポーズで共通した衣装を着ているのはネイキッドエンジェルでは初めてではなかろうか。そのおかげで、連動した感じが生まれているのもPLAMAX Naked Angel 1/20 あおいれなの良いところ。体育座りもかわいいっすね。
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