Re:11colors

毎週水曜日更新(2024年6月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

透けと反射とナワバリバトル-塗装における透明感に関する仮説-

 

スプラトゥーンをプレイしていると、バトル終了後のマップ全体がどちらの色に塗られているのかが確認できる画面で「赤だなー!」だとか「いや、これは緑でしょう」と勝ち負けを予想してしまう。それがほとんど当たるというのを目の当たりにすると人間の目はなんと精密でアバウトなのだろうかと感心する。勝った負けただけではなく「これはわからん」という結論を出す脳もかなり優秀だ。

 

「赤でしょ」や「緑でしょ」と口々にいう様子について考えてみると、多く塗られている方の色をパッと認識しているようだ。つまり、ほとんど赤なら、それは赤。具体的にはどれくらいだろうか。全体の80%が赤なら、70%が、60%……。もし、赤が薄いオレンジやピンクのような肌を表現する色で、それがフィギュアに塗られていても同じような感想を持つと思う。

 

例えば兵士のフィギュアの顔の80%が肌を表現する色に塗られていた場合は「これは肌の色として違和感がないな」という判断を下すのではないか。ということは残りの20%は案外何をやってもいいのかもしれない。青を塗ったり、緑を塗ったり、おおよそ「いやそれは……」と言いたくなる色を塗ってもよいというか。そこに根拠として色彩理論が入り込むスペースがあるのだろうし、肌の色を全体の70%にした場合は、60%にした場合は……。そして、残りの部分に緑や青だけでなく他の色を使えば……と結構な可能性が広がってる気がする。

 

 

青や緑を使う理由は肌の色との色相差を利用してやろうというアイデアで、それぞれ薄いオレンジ色を引き立てるような色でもある。こういったテクニックを使うと「色彩が豊かになる」と言われる。個人的には「チカチカするから、たくさんの色を知覚しやすい」みたいなものだと思っている。

 

メリットはあまり塗料を重ねずに、たくさんの色を表現することができるということだろう。それによって何が起こるかというと、透明感のキープができる。様々な色を重ねれば重ねるほど、光を吸収してしまう。見た目には肌色でも、その下にめちゃくちゃに色を重ねていると塗り重なった層が光を吸収してしまう。なので、あまり塗り重ねずに表現できた方が透明感が出る。

 

 

透明感は説明するのが難しい。ただ、人間の肌における透明感とは光に対する「透け」と「反射」だ。特に、反射はすごい。僕らが「肌」といっている表面が綺麗でもその奥の細胞が光を反射しないと、いわゆる「透明感」というものが出にくいのだ。白く透き通る肌は、反射が生み出しているとも言える。

 

もし、反射をフィギュア塗装に取り入れるとしたら、下地はツヤがある方がが良いということになる。ホントかよ、すごいな。と思いながら兵士を塗った。確かにきれいな仕上がりになる。服も、色がくすまない。肌に緑を使おうだとか、下地はツヤがある方が良いというのは肉眼で見たときの話だと思う。もしかするとデジタルカメラで撮ったときに綺麗に見える塗装とは? みたいな話がもっと出てくるかもしれない。格子状に並ぶピクセルをバグらせる。とか。

 

透明感の話はこっちです↓

https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/39-11-kaisetsu2.pdf