Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

俺は今楽しい塗り方でモーブズを塗る

 

モーブズって湯口が2ミリくらい残るようにニッパーでバチンと切った後に#120くらいのスポンジヤスリでザクザク形を整えて、#240、#400って番手を細かくして表面をきれいにする。そんな最初の工程が結構楽しい。

 

で、真っ白な状態だとあまり気づかないのが荒々しい表面。これがかっこいいんですよね。重厚感があるというか。今回はつや消しスプレーで下地を作った。そして「ああ、良いわこれ」って気づくわけです。塗装は正解はないけど答えがあるっていう感じで、とにかくいろんな仕上がりを結構な人がインターネット上で紹介しています。

 

 

僕も何個か作っているけど、いつだって決まっているのは「自分の中の最新の塗装法で塗る」ということ。なので今回はスプレーで三段階の明暗を作ったものを下地として、それを透かしながら塗装をするという方法。グレージングとかグレーズとかいう油絵の技法がそれに当たるようです。深みのある色が表現できるって触れ込みだけど、深みってなんだろうな? って思いますよね。

 

なんかこう、海とか見てるとよく分かるかもしれない。水深があるところはどっぷり濃いけど、浅いところは透明。多分、透明な液体である海水に対して、深いところは光が届かないから濃くなる。そういうのが深みなんだと思う。つまり、これは光の話だ。

薄い透明の色の付いたフィルターを幾重にも重ねななら、それぞれの層は透明だけど、幾重にも重なって光の届かない部分は濃くなる。そういう表現を狙っていく、というのが今の僕にとっては一番楽しい塗装法だ。

 

 

光の届かない部分が濃くなるのと、もう一個濃くなる部分がある。海でいうなら、岩場は岩の色が暗い色なので砂場よりも底の色が暗くなる。今回のモーブズはネイビーの部分は濃くなりやすいということだ。なので、

 

「薄い透明の色の付いたフィルターが重なって濃くなる部分」

「下地の色の影響で濃くなる部分」

 

と二箇所、色味が濃くなる部分がある。髪の毛のオレンジは薄いオレンジ色が何度も塗り重ねたのでオレンジ色が濃くなっている。上着の中に来ているニットワンピースのターコイズブルーは一回しか塗っていないのに、下地のネイビーの影響で濃くなっているというわけ。特に今回は、髪の毛のオレンジは相当冒険した。いつもなら同系色で丸く収めるところ。それでもチャレンジできたのは透明感を活かして塗っていくというコンセプトがあったからというのと、ファレホという水性塗料の透明度を上げる「グレーズメディウム」っていうアイテムを使ったから。

 



 

まぁこんな感じで、自分の中で新しい塗装を楽しむにはもってこいという感じがする。モーブズは塗りがいのある曲面が多いし、面白い表面をしているのが特長だと思う。そして何よりもフィギュアの出来がかわいいのがいいです。「今はなにか、ガレージキットの入門っぽくなっています……」とお客さんに話しているせりさんをワンフェスで見ていたけど、これからもたくさんモーブズつくってください。よく考えたら僕もガシガシ塗るガレージキットはモーブズが初めてでした。

 

 

前に書いた作り方の記事

 

re-11colors.hatenablog.com

 

 

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