めちゃくちゃに駆け抜けるための特異な足の造形。このフィギュアの全てな気すらします。
これは少女発動機というローラーブレード×女子という掛け算にストリートの香りをふんだんにまとわせたキャラクターのフィギュアです。フィギュアって原作を知らないといまいち乗り切れない部分があったりして、買うのに悩むことが多い。反対に原作に興味があるとメチャクチャな愛着が故に買えない……なんていうこともある。
かといって完全オリジナルだとその世界観を飲み込むのがしんどかったりするので程よさがあれば……という点で少女発動機は断片的な設定と世界観がイラストによって明示されているのが良い。絶妙にノれる感じがある。ここでノッちゃえばその後に世界観が一気になだれ込んできても全然大丈夫なので、入り口の設計が僕と相性が良かったんだと思う。発表された瞬間に気に入って予約したし、そのあと開催されたイベントもバッチリ参加した。
買ったのはMOTORED CYBORG RUNNER SSX_155 "MANDARIN SURF"。キャラクターデザインが渋い。巨大なメカとか持ってないし、背負ってもいない。マフラーが背面からスッと伸びていて、必要最低限な雰囲気を匂わせるにとどまっている。自分たちで走るんだからスッキリしている方がいいもんね。あとキラキラしてなくて、持ち主にあまり関心がない感じがいい。満面の笑顔と愛嬌たっぷりの造形で僕を見てこない。
飾ってみて「おお」って驚くのは下半身の重厚感で、それは金属製だからなんだけど、そのおかげで立たせたときの安定感があります。なので、人間っぽい少しかがんだポーズが取れたりしていいですね。だらしなく、不格好な姿って身体に不自然な負荷がかかることになるわけですが、そんな感じで立たせられる。彼女らの本分はレースなので、最初の写真のように足の部分はとんでもな変形をするし、そのおかげでスピードスケートの選手のようなポーズも取ろうと思えば取れる。
いや、それにしても雰囲気がとにかく良い。かっこよくて、かわいいメカ少女がぶっきらぼうなツラをして立っているっていうのが、なんかこう、居候っぽくてとても良いじゃないですか。シリーズどんどん発売してくれっていう気持ちと、またイベントやってくれっていう気持ちでいっぱいです。最高なんで、見つけたらすぐに買ったほうがいいですよ。払った分だけは確実に戻ってきます。