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毎週水曜日更新(2024年6月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

よく考えたら、贅沢な空間。銭湯で歌うSommeil Sommeilを観に行ってきた

 

銭湯でライブをやります。という情報はあまりにも魅力的で、予定を合わせるのが難しいと思っていたイベントに参加するには十分な理由だった。その日は目当てのステージを見て会場を後にすればなんとかなるスケジュール。

 

銭湯とライブハウスとは当然違うのだけど、少し考えてみると銭湯自体が割と贅沢な内装が施された空間で、特に演出に凝らずともステージになる。浴場でパフォーマンス、脱衣所に荷物を置く。普段は利用者がくつろぐであろう椅子は端に置かれ、体重計のそばにテーブルが移動され、そこにミキサーが置かれていて「演者と設備が揃えばどこでもステージになるもんだな」と感心した。

 

風呂用の椅子に座って前の方で見る人もいれば後ろの方で立っている人もいるし、立ちシャワーの仕切りに寄っかかっている人もいる。銭湯でライブをやると聞いたときは、湯船にステージを組むのかと思ったらそんなことはなくナチュラルに湯が溜まっていて、ライブ会場仕立ての銭湯ではなく、機材を設置した風呂場で人が歌っていた。

 

かなりギリギリの予定の繰り合わせをしてまで見に行ったのはSommeil Sommeilというグループ。いつも見ている配信の視聴者仲間からオススメされたことがきっかけだった。

 

彼女らの存在は知っていて、夏頃は「幼なじみになりそう!」を部屋で延々と流しながら横になっていた日もあった。ただ、それ以外は曲を聞いたことがなかったので、参加することに少し不安があったものの、知らないものに突っ込んでいくというのはいつだって楽しいし、日常の「いつもの」は、たくさんの「はじめて」が作っていることを知っている。

 

 

「Sommeil Sommeilはわりと大人しい感じだから安心して見られる」と勧められた通りで、確かにアップテンポすぎずシンプルな曲が多かった。見ている人の動きに合わせたり、彼女らの身振り手振りに応えるように身体を動かしたりするのも楽だし、一体感を味わいやすく、気軽に楽しめたのは結構嬉しかった。普段はめちゃくちゃ聞くHIPHOPアーティストのライブで押韻に合わせて体を動かす(曲ではなくボーカルに乗る、とかいうやつ)ことがあるので、そんなこと意識しなくても楽しい、みたいな。

 

見ている人たちも含めたステージという感じで、踊っている人や、私のように撮影している人もいた。もちろん熱心にながめている人もいて、それぞれが自分の目的をエンジョイしているのが良かった。銭湯という空間がどこか馴染み深い雰囲気というか、ステージのような構えた空間ではなかったのも楽しめた理由の一つだと思う。唯一聴きまくったライブ盤のCDはクラムボンの博多百年蔵で行われたものだと、途中で気づいたし。そういう意味ではライブハウスではない施設でのパフォーマンスはもっと見たい。

 

 

参加したイベントはYOIMACHIというサーキットイベント。受付となるメイン会場で入場手続きをしてリストバンドとドリンクチケットをもらうと、あとは好きなステージに各々が向かう形式で、街の中にいくつも会場があるのが日常と非日常を行き来する感じで面白いなと思った。

 

昼飯を食べに入った中華料理屋では、私と同じリストバンドをした人が何人もいて、イベントの構成が地域振興にもなっているように感じた。あのアイドルが出るから、どこどこへ行こうって向かった現場の先で飯を食って他のアイドルも見て……なんてやるのは楽しそうだ。

 

 

Sommeil Sommeilのなかでも淀橋瞑さんが目当てで見に行った。彼女自身の長い腕がくるくるくる回ったり、スッと客席の方へ伸びてレスポンスを引き出そうとする様子はキレイでした。身体操作の見栄えの良さは演劇での土橋銘菓さんとも本質的には変わらない、彼女らしさがあった。

 

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