Re:11colors

日曜午前中更新です。革靴、模型、日常。

時計の良さにどう感動すればいいのか

数年前にテレビでSEIKOとHUBLOTの工場というか、生産現場を取材したものがあってそのときにどっちの生産現場でも互いのものは決して生まれないなと思ったりした。特に印象的だったのはSEIKOの方で確かGSの工場を撮影してて、限られた時計師がそこで時計を作るんだけど、その人それぞれに合った机や椅子の高さのものを提供される。で、それのデザインは時代家具的なもので、和風のそれだったりして、そこで匠の技術の結晶のGSが出来上がるという様子だったと思う。

 

ただ、それをなんで覚えてるかっていうともう一方のHUBLOTのことがあるからだったりして、こっちはいかにもクリエイティブの誕生する土壌といった感じでこっちも良かった。で、ここが問題なんだけどHUBLOTは匠の技術の結晶ではないのかというと、決してそんなことないんですよね。

 

新しい金属とかも研究したりしてたし独創的なデザインを生み出すことだって昨日今日サラサラサラーと描いてどうこうってものではなくて議論だったりアイデアの塗り替えや積み重ねは頻繁に起きてる。そう思うと匠の技術の結晶的に語られるまでにとどまる状態って結構きついよなって思ったりもしたわけです。デザインなんかは、そういう意味だともう華があるのはどっちかっていうのは明らかなので、質実剛健とか伝統とか、そう言わざるを得なくなってくる。役割が違うのはわかってるけど、それでも同じ時計ですからね、そこが難しいですよね。

 

最近は久しぶりに時計を買おうかなって思っていろいろ調べてますがSEIKOなんかはそういう意味だと意地でも機械式の時計を水深200mまで潜らせようって思いがあっていいですよね。多分SEIKOの匠の技術とかデザイン的な面を褒めるというか、財産的に捉えるとしたらここなのかなという感じがします。本当の伝統というか。

 

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なんて話をしてますが、私は新品の時計はCITIZENが多いです。100周年記念の時に初めて買ったんですけどそのときのテーマが「夜明け」ってことで黒をメインにモデルによっては所々金を挿すというカラーリングで多くのデザインを発表してくれました。安いものだと5万円しないくらいの定価で、ヨドバシとかだともっと安く手に入ったりしました。象徴的なツノクロノって呼ばれる、上がってる写真のものも10万円と、金額としては高いけど時計としたら安いものをメインに持ってきたりしてくれてありがたい限りでした。独自性のあるデザインを売りにして中身を凝ることで値段を上げることだって可能だったわけなので、大したもんです。

 

このアニバーサルイヤーを前にミラノサローネなどで素晴らしい展示をしていたのですが、それと連動するデザインだったのでこれもまた追加点です。

 

CITIZENはそういう意味だと少しデザインが自由ですね。考え方が柔軟というか。

日本の王者SEIKOが頑張ってる下でほどよく自由にやってるような気がします。

 

時計の厄介なところはコンビニでレジに並んだときに「チキンも買おう」って思うように、直感で買いにくい所で、名前は忘れましたがじっくり検討して買うジャンルのものだということです。何度も調べたり、納得したりを繰り返して買うという点がチキンとは違う所ですね。家みたいなもんです。

そこで納得させてくれる材料みたいなのが機械の話やデザイン的に見て質実剛健とか、TIMEXなどの安いものですらそういう言葉にし易い事象の話で溢れてしまってるのが少し悲しいかなと思いますが、そうするしかないのでしょう。そして、私もそうですが、そういう言葉を身にまとっているような感じがあると思います。つい「道具として」とか言っちゃいますよね。

そんなこという癖に、一番道具として優れている時計は私の場合だと手持ちの時計で一番高いツノクロノだったりします。エコドライブ、デュラテクトということで動作も丈夫さも相当上です。

 

そういう意味だと「夜明け」と強いコンセプトと、それをもとに統一感のあるラインナップを広い価格帯で打ち出したシチズンの100周年記念はとても面白かったし、周囲を納得させながら進めるような、背景世界を存分に語る形、プレゼンテーションありきの成果物ではなく「俺たちはこれで行く」と宣言するような強いコンセプトは眩しく映りました。理由ありきというよりは表現が先に立つ感じがかっこよく見えたのです。そのおかげですっかりCITIZENが好きになってしまったりしているのでした。

 

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