カーモデルってどこまで手を加えると、というかどういう条件を満たせばモノとしてギリギリ成立するのか気になっていた。
以前作ったエブロのルノー4フォルゴネットはそういった観点からすると、非常に面白く「ここがメッキだから間が持っている」とかそういうことがよく分かるキットでありそこに妙な作家性を感じたのだけど、では自分でそこをクリアすることができないのだろうか。
そんなことを考えていると自ずと浮かぶのはブルーノートのジャケットである。
色をあまり使わずにまとめる。
2色印刷だとかそういう話にも近かったりするので、結果的にアンディ・ウォーホル的な話にもなってくる。
色数を控えてポイントだけ色を塗って、それがなにか車の雰囲気に一つの印象をまとわせるのは面白そうだと。
というわけで手に入れてみたのがドイツレベルのG4スタッフカー。
成型色はグレー。実写の色とはぜんぜん違う配色で、ブルーグリーンをサブで配置することにした。それと合わせてエブロの程よいメッキ使いを引っ張ろうということでシルバーもアクセント的に使う。
これはマツダロードスターNDでハマったテクニックなんだけど、ホイール、ボディ、シートの色をなんとなく揃えてしまうとポスターとかに印刷された車のイラストがそのまま飛び出てきたみたいな面白い見た目になる。
ここまで書いていて、俺はカーモデルをそういう目で見ていることがよくわかった。
部屋に飾るものだからこそ、色を塗るときは自分が好きなもののように纏めてしまう傾向がある。色数が少ない印刷物、メリハリのある配色。
その割にはつい最近まで仕事では「人の肌は肌色で無くてはならない」みたいな固定概念に縛られているのも面白い話なのだけど、その一方でカーモデルを作る上でシートを黒にしない理由が
「黒い革なんて顔料染料でどうとでもなるが、青や緑などは色出しが難しいから却って高級感が出て面白いじゃないか」
とどうとでもいい理由でやりたいことを最優先に勝手に色を塗ってしまう、ただそこには「革」に対する知識があるわけなんだけど。そう思うとさっきの仕事上での固定概念って、なにか勉強不足でビビってて、荒野を一人で歩くような気持ちになれないのかなという気分になってくる。
それにしてもこの小ささ。iPhoneのイヤホンと比べると本当に面白いくらい大小の関係性が見えて最高ですね。
俺の頭の中にある車はポスターなどの何か、印刷物に存在するものなのかもしれないです。
ちなみに中身はICM。レベル4の意味がよく分かる良いキットです。
ドイツレベル 1/72 ドイツ陸軍 スタッフカー G4 プラモデル 03268
- 出版社/メーカー: ドイツレベル(Revell)
- 発売日: 2018/10/05
- メディア: おもちゃ&ホビー
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