プラモデルを作るときに、永久所蔵品になりそうなものとそうでないものがわかったりする時があって、そこはまぁ、割と簡単に捨ててしまう自分の冷たいプラモ観から来るジャッジだったら自分としてはありがたい限りなんですけど、タミヤの 1/12 Honda CB750Fは結構長い間部屋にいそうな気がしています。
この感覚ってなんて言ったらいいのかわからないんですけどドラマ「SUITS」で言う所のハーヴィーのオフィスにあるMLB選手のバットだとか、NBA選手のボールに近いと思う。デスクにあることは悪いことではないと思わせる存在。
最近は特にキャリアって意味だと「いずれ、フリーで仕事をするんだろうな」みたいなそんなことを考えているんですけど、そのときに置いてあるものというか。
バイクのプラモデルの楽しいところは前の記事で書いた通りでみるみる形を変貌させながら完成に向かうところであって、あとは明確に「フロントフォークを組み立てている」とかそういうことがわかるところ。そのくせ構造的にバシッと形を固定させるのが難しいのが好きです。フロントフォークを例に出すとフレーム的には四角い訳で、一見固定されているんだけどそこは四角形の弱いところですぐ歪む。正方形がグニっと潰れて菱形になっちゃう感じで、ユニット単位で見ると思ったより脆弱。
ただ、その脆弱な状態って調整の余地があって、ずっとふわふわしているものを触っている感じが面白いです。逆にいうとバシバシ形が決まってくるって感じはなかったので「バシバシ固定させよう」ってやると最後にずれてしまいそうです。それがフレームだとかガソリンタンクだとかってのとくっついて、ようやく、結合といった感じでバシッと決まる。小さいときに父親が家具を組み立てるときに手伝ったりするとネジを締めるときに「いいか、一箇所ごとにしっかり締めるんじゃなくて、全部を締めてから最後にそれぞれをしっかり締めるんだぞ」みたいなことを教わったりすると思うんですけど、バイクのプラモはそれに近いと思います。曖昧、曖昧、曖昧、締める。みたいな。
出来上がるとこの大きさならではの省略の少なさが気持ち良い。重量感を感じさせるエンジン、ゴロッとしたタイヤ。そして生命力を感じさせるゴムチューブ。
作業としても塊を作りながら最後にそれを編み上げるように繋いでいくチューブワークのところは格別の面白さがあります。
組み立てのコツなんて僕が話してもあんまり意味はないんですが、瞬間接着剤をうまく使うといいと思います。メッキパーツやチューブの接続箇所(特にエンジンなどの内側に収まってしまう部分)に鮮度のいい、使い捨てタイプにノズルをつけて貼っていくとかなり楽。
今日の物販
こっちの方がマフラー周辺がメッキじゃないので組み立てやすいかも。