先日、プラモ仲間から「置物」と書かれた荷物が届いたのだけど、それは見事な1/100スケールのドラケンの完成品であった。以前から模型は完成後は「置物」になるよなと思っていたが、こうして配達物の明細に記されることでいよいよ真実味が増してくる。
私は部屋に模型を飾る習慣があるので、他の置物たちと混ぜて飾ることも多い。
飾ってみるとよくわかるのは飾るスペースに依存する形で模型の大きさが決まるということ。戦車を一個、どかんと置くときにはイスなどの他のミニチュアを置こうとすると今のスペースだとかなりきつく難しい。戦車を二個並べるのはかなり難しいと思う。
思い通りにものを並べていくと最後に開いた隙間に埋まるのはタミヤの1/35 ブレンガンキャリヤーで小さい乗り物に密度感ばっちりの3人が素晴らしく、臨場感のある風景が面白い。また、この1/35というスケールとイスのバランスが面白く、なんだかモダンなオブジェが置いてあるカフェのように見えてくる。あるいは、美術館や商業施設の休憩所か。
限られたスペースになんだか心地の良いバランスの大小関係のものを並べてみると、そこには場が生まれ、その世界の住人になれるような気がする。腰くらいの高さのシトロエンのHバンだとか見上げるほどに大きそうなかぼちゃ。肩ほどの高さのマネキンが色とりどりにリメイクされた軍服を着ている。
全体を見たときにブレンガンキャリヤーの形の面白さが際立つし、車や人形といった気軽に手に入りそうなミニチュアとは違う雰囲気の良さがある。1/35スケールという大きさは人の仕草や情感を表現するには素晴らしいサイズで「そこにいる」という気持ちにさせる。しっかりとした濃い味の存在感は人が乗り物に乗っている迫真さだとか、それを切り取った彫刻のような面白さではなかろうか(塗ってしまうと、この感じはまた、変わってきそうだが)。
このように色々な細々としたもので気分のままに飾ってみる場合にタミヤのミリタリーミニチュアのなんだかわからない不思議な乗り物たちは一様の存在感を持って水槽の底を這う、大きくて綺麗な模様の魚のように空間を彩るのである。
今週の物販