KICK THE CAN CREW「千%」MUSIC VIDEO
とにかく、帰ってきたのである。およそ14年ぶり。
待ったか?待ったとも!帰ってくることを!
「千%」は個人的には「頑張る人の頑張りを肯定する曲」という印象。
かなり達観している様子というか「俺も頑張るからお前も頑張れ」みたいな感じでもなく「頑張ってる姿を伝え続けてパワーを与える」とかそういう同じ目線というより「上」な感じもするのになぜか同じ目線にいるような気がする。なんだろうかこれは。
だって「頑張って良いんだよ。頑張ることはダサいことじゃないんだよ」みたいなニュアンスってなんかこう、身近ではないじゃないですか。そう感じるのは俺だけか。
少し神様的な様子があるというか。それなのに、何でですかねぇ。KICKが好きだからですかね。
私が年をとったからというのが多分にある気がしますが、それにしても聴いていて染みる曲だ。歌詞で魅せるって意味でもMCUの普遍的なテイストってやっぱり今聴いても異質でかっこいいし、KREVAの 軸がブレない 澱みない 歩き出し まるで背中押すように指す光 あたりの抽象的ながらも覚醒を確かに感じさせるところは痺れるし、LITTLEだって本気はマジ 真剣はガチに続く彼ならではのパンチラインはまるで伝統芸能を久しぶりに見るかのような感動を覚える。
あとはやっぱりどう見ても「帰ってきた感」がやっぱり強い。
これは本当にびっくりした。14年ぶりなのに俺が思ってたKICK 像とブレがない上にアップデートされてて「時を経ることで何となく失われてしまうもの」ばかりなのかなって最近思ってたけどそういうものばかりではないんだなって驚いたし感動した。痺れたし汗もかいた。
MCUは丸刈りマスターって言葉のエイリアンとかゴロウムツ並みの謎フレーズなのに言いたいことが伝わるやつ相変わらず入れてくるし、KREVAもKICKにアジャストするようなカチッと決めてくライミングな上に一所懸命なのか一生懸命なのかみたいなアレをまとめてなんかうまいことやってるしLITTLEのトライアングルあたりからの締めにかかってる感じも最高だ。
本当に帰ってきた、上に強くなって帰ってきた。それがすごい。
あと、KICKが広告批評の特集で「『俺は』で始まる」って話ししててそれから俺も「俺はこう思う」って考えるようにしたり、しんどい時期も聴いてたしiPhoneを買ったときからずっとKICKの曲は入ってるしそれだけ自分にとってはデカい存在で今も「俺はこう思う」って考え方で人に何か話したりもの作ったりしてるから本当に血肉になってる存在なんだと、千%を聴いて思った。
それと何よりびっくりしたのはこの曲を聞き終わったあとに
「KICK色褪せないな、頑張ってるな。それに比べて俺は……」
ってならなかったことに安堵したことだ。
「ああよかった。KICKが帰ってきたけど俺、今頑張ってるし情けなくないしKICKに失礼じゃないわ」
って思えたことも驚いた。さっきも書いたデカイ存在なんだなって話なんだけど。KICKが戻ってきたときに「ダメだな俺」って思うってことは過去のKICKから感銘を受けたことを形にできてないってことだし、そのときに「よしっ」って思った過去の俺にも残念な思いをさせてるわけだから、そこは本当に色々と何とかなっててよかった。ありがとう。
「KICKが新曲出すんだから、部屋も片付けて体調管理もしっかりしないとダメだな」
なんてわけのわからない回路でここ数日で生活環境が劇的に改善し続けているんだから、俺にとってはそれだけの大きな出来事なんだ。
あ、あとPVも帰ってきた感とか衣装が非現実的な感じがあるのめっちゃ良いです。
強くなって復活してきた感があるというか。