いろいろなジャンルのもので「これを買ったらあとはおしまい」みたいな、あがりのアイテムがあって、例えば時計だとROLEXのサブマリーナ、靴だとエドワードグリーンのドーバーとかがそうだと思う。非常に高い満足感と優れたデザイン、汎用性の高さがポイントの存在。
個人的にはジーンズだとWARE HOUSEのものなんかも割とあがりのアイテムに近いかなという感じ。2〜3万円台のレプリカデニムメーカーは概ねそんな感じがするので個人個人のあがりがあるのかもしれない。
どれも、それ以上のラインや、反対に価格的に抑えられた別のものを吟味し続ける方向はあがりまでの途中なのか、マニアックに海を泳ぎ続けていることになると思う。
タミヤの1/20 HONDA RA272は「あがりのアイテム」かもしれない。
出来上がりの品が良く、キレイ。シュッとしたボディと足回りのフレームのメカニカルな構造が美しい。作っているときの緻密なエンジンを組み上げていく「いかにもプラモデルを作っています」という時間も最高だ。
唯一、道具的な制約からの難所になるかもしれないのは日の丸のデカール。ドライヤーやマークセッターを駆使して貼れば日本国旗を纏ったマシンが完成。エンジンカウルが透明なのがプラモデル的で、とても良い。特に色を塗らずとも切って貼るだけでこれだけのものが完成する。
私は出来上がったばかりのプラモデルを部屋に飾るときに、すでに飾ってあるものを一旦片付けて、ソロで飾ることが多いのだけど、そうしてみたら良さにやられてしまった、かっこいい。かっこいいだけじゃなくて「もうこれだけで良い、他のものはいらない」と思い始めている。
もちろん、そんなことはなくて一週間もすれば他のキットと同様の扱いになって他のプラモデルが作りたくなるとは思うのだけど、完成後にここまでの気持ちにさせられるのは少し怖い。
お気に入りのキットではあるが、あまりにも魅力が溢れている存在でもあるのでプラモデルへの興味が無くなったり、接し方が変わったりするかもしれないと思うと若干「危険なプラモデル」と言いたくなるような完璧さがあると思う。タミヤでホンダで日の丸で、F1優勝者で……って日本人が作るにはいろいろと完璧すぎるんだよな、これ。
今日の物販