前の会社にいるときに、取り扱う商材だとか取り組む仕事に対して「やりすぎはダメ」という話をよくしました。
すぐわかる3年目がいるかと思いきや、全く分からない5年目とかがいるので面白いものだなと思ったことがあります。大体こういう話をして理解がこんがらがるパターンって「効率化ですね」とか「引き算ですね」とか言われるときで、どうにもうまく思いが伝わらず、なんて言うんですかね。すべてを完璧に行うことがオーバーキルになっちゃう感じとか、それで全く仕事が進まずもっと大きな目標が達成できないとかだと、困っちゃう。
スライム倒すのにバイキルトかけるか?みたいな話をしながらオーバーキルという概念を伝えてもわかってもらえない感じとか思い出すと頭が痛くなってきます。
こういう話を聞いてる側からは私は「効率よくどれもこれもやっている人間」と見られるし、そのまま「俺は一個一個丁寧に仕事をしてるから時間がかかるのはしょうがない」って却って現状の納得材料になったりして分断が深まる。店長は私ですよー。おーい。
というわけでさんざん考えた結果、効率も引き算も存在しないという世界を生み出しました。効率はともかく、引き算って実際に引いてないですからね。正確に言うと足してないんです。
例えば「一回指差し確認する」って書いてあるのを、一回だけやる。丁寧にやる人は二回、三回とやる。それをやりすぎるとドボンっていうわけでブラックジャックに例えて話をする。「お前のは足しすぎ。例えば俺がブラックジャックで毎回17とかその辺を狙っているとして、お前はいつも21を取ろうとする。たとえ、今が20だとしても21を取ろうとして結果負けている」なんて。この後に「空いた時間で俺は勉強してるけど、お前は時間がないからいつまでたっても現状の満足感しか上がらないだろ。羽根が生えて飛ぶことはない」とかいうともう、鬼ですね。
そんな風に考えてるので、プラモデルにおける引き算ってなんだろうなっていつも思います。私は何も引いていない、周りが足し続けているだけなのだ。なんて。プラモデルを楽しむための「やりすぎが無い世界」がもっとあると良いなと思います。「何も足さない世界」なんていうと、箱にしまってそのままであることが最高到達点になりそうなので、「気分に合わせて好きなだけ足せる」みたいな感じが良いですね。
とか言いながらタミヤの1/48シトロエンスタッフカーを7個も8個も作っているのは私なんですが、他にやらないと決めたことがあるから、こうやって「やりすぎ」を楽しめるということでここはひとつ。
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