前回、接着剤で貼り合わせて組み立てることを覚えてから、色が猛烈に塗りたくなって「タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.50 ドイツ空軍 メッサーシュミット Bf109E-3」とそれに必要そうな塗料をめんどくさくない範囲で買って塗装して完成まで持っていった。
この迷彩柄を塗る前に実は同じものを一機作っていて、色は羽根はオリーブグリーンオンリーでかなりシンプルに仕上げたのだけど、その仕上がりが全然満足いかなくて、写真のものは2周目になる。
僕は同じことを2回することに猛烈なダルさを感じるタイプなのですが、「納得がいかないなら作るしかねぇよな」と悔しさを胸にトライしたのですが、一周目と二周目は組み立ての手順が明らかに違って、塗装を含む工程が速やかに進む進む。
なんでだろうなーって考えながら作ってたんだけど、慣れもそうなんだけど「俺は今この部分を作っている!」という認識がはっきりできているからなのだろうなと、思ったりして面白い体験でした。
それとこれは一機目のときから気づいてたんですけど、色を塗るという工程を入れると急に制作時間が増える。無塗装だと〇〇時間だけど塗装だと◯◯日と単位が変わる。
そこに「なんとかうまいこと早くできないか?」という謎の改善思考と作業性の向上が組み合わさるともう何がなんだか。
「説明書通りのステップで進めるよりも早い方法があるな」
なんて考え出してしまう。「ココとココとココは最初に色を塗っておいて、乾かしている間にコレをくっつけておいて、さらにマスキングをしておくと最初のは乾いていて」と頭の中で高速で段取りが組まれては改善され組まれては改善され……と続いていきます。加えて二機目の場合はそれが二回目だからもっとプランニングがシャープになっていくという。
そうなってくると「説明書ってなんやねん」って話になるんですけど、これはこれで当たり前ですけどしっかり役割がありますよね。で、これが例えば「主翼を貼り合わせて乾かしている間にコックピットを塗っておきましょう」とか言い出すと今度はまた、なにか趣が変わってくるような気がします。「結局どこまで説明するのか?」という話ですね。
これなんか仕事みたいだよなって本当に思います。「こっちがそこまで説明しないといけないのか?」って疑問に思うときあるじゃないですか。そのマニュアル自体はあくまでも基本形であってそこにどうアレンジを加えて成果を出すのかはそれを受け取った人に委ねられるというか。なんかそんなこと考えながら作ってました。
「色塗るタイミング自分で考えないといけないけど、これ説明書通り一つ組み終わっては塗っての繰り返しだとダルいな」
って。
あと、もう一個面白いことがあって、最初は楽しいんですよ。最初は。でもしばらくやっていって、自分の腕前だと少し厳しい場面とかに遭遇すると急にストレスになる。その日の気分とか製作工程の流れとかもそうなんだけど「趣味がストレスになる瞬間」がそこには明確に存在します。そのままズルズル続けると失敗は増えるときもありますが、なんとか取り戻そうと思いながらジリジリにじり寄っていくと流れが戻ってきて「さっきまでしんどかったけどなんとか盛り返したな」というゴルフで言う我慢のゴルフ状態を味わえる。
それに加えて「二回目だから」とかいう謎の甘えと舐めた態度のせいで一回目では失敗しなかったところを失敗する。それも面白い。
作り終わったあとに「俺は絵を描くのに少し疲れて、平面というか立体物を作りたいという気持ちと、それを解消する存在がプラモデルだった。あと、色々合って筆で何かを塗り塗りしたかった」というやりたいことがかなり先行していたという事実に気づきました。出来上がったこのメッサーシュミットのBf109 E-3を見て「果たしてこれは俺が作りたかったものなのか?」という謎の自問自答が始まっています。
「完璧なものを作りたい」というよりは「完璧な作業工程ですべてを満たしたい」という不思議な気持ち。
あ、でもこの四角い感じの造形と細くて小さくて……という飛行機の造形はものすごく好みです。次もそういうの作りたいです。
タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.50 ドイツ空軍 メッサーシュミット Bf109E-3 プラモデル 60750
- 出版社/メーカー: タミヤ(TAMIYA)
- 発売日: 2000/07/25
- メディア: おもちゃ&ホビー
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (2件) を見る